研究課題/領域番号 |
21K05375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
稲岡 隆史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, グループ長補佐 (40391205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ / NADPH / 増殖 / 菌密度 / サプレッサー変異 / 枯草菌 / ペントースリン酸経路 |
研究開始時の研究の概要 |
ペントースリン酸(PP)経路は、解糖系やTCA回路とともに中心代謝を構成する重要な経路であり、NADPH合成や核酸合成に不可欠なペントースの合成に関与する。PP経路の最初の酵素であるグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)の欠損株では細胞内NADPHレベルが著しく低下することが知られており、枯草菌のG6PD欠損株では低菌密度時に増殖不全を引き起こす。本研究では、枯草菌のG6PD欠損株から低菌密度時の増殖能を回復するサプレッサー変異を同定・解析することにより、細菌増殖と菌体密度の関係および低菌密度時の増殖におけるG6PDの役割を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
枯草菌のグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損株は低植菌量(0.01%以下)ではLB培地で増殖できない。そこで、枯草菌G6PD欠損株の増殖能を回復するサプレッサー変異株を取得し、6つの遺伝子(relA, yqeZ, lysP, ccpA, trmF, thrS)における変異を同定した。これらサプレッサー変異のうち、lysP, ccpA, trmF変異は増殖能を回復する効果が特に高く、細胞内のニコチン酸やパントテン酸量が回復していることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペントースリン酸経路の最初の酵素であるG6PDは真核生物も含めて普遍的に存在する重要な酵素である。本研究では枯草菌G6PD欠損株におこる低菌密度からの増殖不全を回復する変異を同定し、これら変異が細胞内のニコチン酸やパントテン酸量を回復させることを明らかにした。これらの結果は、G6PDによるNADPHの低下がこれらビタミンの細胞内濃度を低下させ、低菌密度からの増殖不全を引き起こしていることを示唆しており、新薬開発や新しい微生物制御法の開発に繋がると期待できる。
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