研究課題/領域番号 |
21K05385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 俊生 九州大学, 理学研究院, 助教 (00614257)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / EV / トランスグルタミナーゼ / 脂質修飾 / S-パルミトイル化 / N-ミリストイル化 / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質は脂質修飾が施されることにより、その細胞内局在や機能が変化することが知られている。本研究では脂質修飾されることで細胞外へと分泌されるタンパク質として見出されたトランスグルタミナーゼ(TG)をモデルとし、培養細胞や生体(ショウジョウバエ)における脂質修飾関連遺伝子の変異体を用いた分泌の分子機構解明を推進するとともに、TGの分泌の仕組みを他タンパク質へ応用することを目指す。
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研究成果の概要 |
ショウジョウバエのタンパク質架橋反応を触媒するトランスグルタミナーゼの一種である「TG-A」は一般的なN末端の分泌シグナル配列を有しておらず、代わりに脂質修飾を受けることで、細胞外小胞(EV)に内包された状態で分泌される。本研究では培養細胞およびハエ個体を用いた実験から、TG-Aの配列を改変して高効率なEV分泌システムを構築すること、並びにその分泌機構を明らかにすることを目的とした。本研究により、TG-Aの配列に改変を施すと最大で7.5倍程度までEVの分泌量を上昇させることに成功した。さらにはTG-AのEVを介した分泌経路、およびEVの他細胞への取り込みを促す機構を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に分泌された細胞外小胞(EV)は血流やリンパ液に乗り、遠隔の器官に情報を届ける細胞間情報伝達に関わることが知られており、生体の恒常性並びにがんの転移などに関与している。これまでの代表者らの研究により、TG-AのN末端から8つのアミノ酸が脂質修飾とEVへの内包化に必要かつ十分な条件であることが判明している。この配列に改変を施すと、脂質修飾の割合が向上し、EVへの内包化率も有意に上昇することが認められた。さらに、下流に生理活性タンパク質を融合することにより、他細胞に取り込まれた状態で機能を発揮することを見出した。このことは、各種生理活性タンパク質の高効率な輸送に寄与することが期待できる。
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