研究課題/領域番号 |
21K05387
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
峯 昇平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70415751)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ポリエチレンテレフタラーと / プラスチック / 酵素 / 安定性 / 立体構造 / ポリエチレンテレフタレート / 耐熱性 / PET / X線結晶構造解析 / ポリエチレンテレフタラート / 熱安定性 / 耐熱化 |
研究開始時の研究の概要 |
PET(ポリエチレンテレフタレート)を主とするプラスチック廃棄物は、重大な環境問題である。近年、PETを原料にまで分解できる酵素「PETase(ペターゼ)」が発見され、資源リサイクル実現可能な酵素として注目されている。PETを効率的に酵素分解するには、PETが酵素に分解されやすい形状に変化する65℃以上で反応を行う必要がある。しかしながら、PETaseは熱に弱く、35℃以上になると活性を失う。そこで、本研究では、65℃以上で高活性を有する耐熱性PETaseを作製することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
プラスチック分解酵素の実用化に向けた研究開発を行なった。立体構造情報をもとに熱に弱い部分のアミノ酸を抽出し、適切なアミノ酸に改変することで、野生型に対し熱安定性を20℃以上、PET分解活性を10倍以上向上するさせることに成功した。本改変酵素は2022年にNatureに発表された改変酵素と比較しても、同等の活性を維持しながらも10℃以上熱安定性が高いため、長時間に渡り酵素反応に利用可能であることから、PET処理にかかるコストを大幅に減少させることができると考えられる。本研究開発は世界的にも競争力を持つ可能性を秘めた性能の良い酵素の作製に成功しており、当初想定を超えた成果であると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難分解性プラスチックの有効利用については、資源循環型システムの構築が大きな社会課題である。例えば、PET廃棄物の一般的なリサイクルプロセスにおいては、複合材料や添加物などの混入で再生素材が劣化する点などがリサイクルへのハードルとなっている。本研究で開発された耐熱性PET分解酵素は70℃の温度でも利用可能であり、且つ、添加物存在下でもプラスチックをモノマー単位まで分解することができる。本研究で得られた酵素改良技術を利用することで品質劣化の少ないケミカルリサイクルの展開が期待される。
|