研究課題/領域番号 |
21K05401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 秀則 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 助教 (20725064)
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研究分担者 |
藤田 盛久 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 教授 (30532056)
平田 哲也 岐阜大学, 研究推進・社会連携機構, 特任助教 (90780651)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖脂質GPI / 糖鎖合成 / 糖転移酵素 / B3GALT4 / 蛍光ラベル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、糖鎖合成化学と糖鎖生化学の融合的アプローチにより、糖脂質GPI側鎖構造多様化の鍵を握る糖転移酵素B3GALT4の酵素学的特性を明らかにし、GPI側鎖構造の多様化メカニズムを解明する。B3GALT4は過去に糖脂質GM1生合成酵素として報告されているため、本研究成果はB3GALT4によるGPIとGM1の生合成制御メカニズムの解明に繋がる。
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研究実績の概要 |
昨年度、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)付加GPIの部分構造である四糖(トリマンノース[triMan]+GalNAc)骨格構築に成功した。今年度は、GalNAc付加GPIおよび四糖蛍光プローブ合成に向けて、triManをモデル基質としてN-メチルアンドラニロイル(MANT)修飾エタノールアミンリン酸(EtNP)基の導入に取り組んだ。まず、triManの還元末端Man2位水酸基に1H-テトラゾール存在下でN-Boc保護EtNホスホロアミダイトを作用させた後、リン五価への酸化を行い、目的とするリン酸トリエステル体を高い収率で得た。続いて、triManの非還元末端Man6位水酸基を遊離にさせた後、別途調製したN-Boc保護MANT修飾EtNホスホロアミダイトとの亜リン酸エステル化に付したところ、反応は良好に進行した。リン五価への酸化反応後にリン酸トリエステル体として単離を試みたが、副生成物との分離が困難であった。そこで、DBUによるシアノエチル基の除去でリン酸ジエステル体としたところ、イオン交換クロマトグラフィーで目的生成物の単離に成功した。最後に、酸性条件ですべての保護基を除去し、MANT修飾EtNP基が導入されたtriManモデル蛍光プローブの合成を達成した。今後、本モデル実験で確立したMANT修飾EtNP基導入法を利用して、GalNAc付加GPIおよび四糖蛍光プローブ合成が達成できると考えられる。 また、GPI骨格構築で必要となるグルコサミン(Glc)、イノシトール(Ins)、グリセロール脂質ビルディングブロックを調製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MANT修飾EtNP基導入法の確立およびGalNAc付加GPI合成に必要なすべてのビルディングブロックの調製には成功したが、当初予定していたGPI骨格構築には至らなかった。工程段階数が多いビルディングブロックの調製に想定より時間がかかってしまったのが原因である。一方で、酵素活性評価実験で用いるリコンビナントB3GALT4タンパク質およびB3GALT4発現細胞の準備はできた。
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今後の研究の推進方策 |
GalNAc付加GPI蛍光プローブ合成では、ビルディングブロックから擬二糖脂質(GlcN+PtdIns)ユニットを調製した後に四糖(triMan+GalNAc)との縮合反応に供することで、GPI骨格を構築する。続いて、今年度確立したMANT修飾EtNP基導入法により蛍光プローブ体の合成を完了する。更に、四糖蛍光プローブ合成を達成する。両蛍光プローブを用いて、B3GALT4の酵素活性評価実験を実施する。
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