研究課題/領域番号 |
21K05402
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西脇 寿 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (30508784)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | green pigments / Crysoperla nipponensis / ニッポンクサカゲロウ / 色素 / クサカゲロウ |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫の体色は、捕食性昆虫や鳥の目から逃れるための擬態に関連していると考えられている一方で、なんらかの生理学的な役割を担っているという報告もある。緑色の体色をしている昆虫は自然界に多く存在しており、食植性のチョウ目幼虫での緑色色素の研究報告がある一方で、肉食性昆虫であるクサカゲロウの緑色色素がどのような物質であるのか研究されている例はない。本研究では、ニッポンクサカゲロウ成虫の体色色素の構造ならびにその生合成機構に関する知見を得て、その色素が着色料などへと応用できるか検証する。
|
研究成果の概要 |
ニッポンクサカゲロウ成虫の緑色の体色を構成する色素を精製して、MSなど機器分析を試み、緑色色素の一つとしてビリベルジンが含まれていることを明らかにした。次に、ビリベルジン生合成に関与する酵素をコードする遺伝子を明らかにし、組換え体酵素を過剰発現させ、酵素の基質特性などを明らかにした。さらに、realtime PCRを用いてmRNAを定量するとともに、RNAiによる発現抑制をかけて成虫の体色を観察し、クサカゲロウの体色を構成する色素はビリベルジンだけではなく、他の緑色色素も関与していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界中で緑色の体色を持つ昆虫は数多く認められるが、その緑色の生合成経路や役割は未解明の点も多い。本研究でクサカゲロウを用いて得られた成果は、他の緑色昆虫と比較することにより、緑色色素が昆虫の生理、生態にどのように影響をおよぼしているのかを解き明かすうえで役立つことから、学術的意義は高い。また、得られた色素は食品添加物、着色料や塗料などの応用が期待でき、社会的に研究成果を還元できる可能性がある。
|