研究課題/領域番号 |
21K05407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
小林 正治 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (30374903)
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研究分担者 |
長井 薫 千里金蘭大学, 生活科学部, 教授 (20340953)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗認知症 / 神経保護剤 / 天然物 / 合成 / グリーンケミストリー / きのこ / 紅藻 / 構造活性相関 / 藻類 / 抗認知症薬 / 全合成 / 神経細胞保護 / ワンポット反応 / 菌類 / 構造決定 / 神経細胞保護効果 / グリーン合成 / 医薬合成 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病に代表される神経変性疾患の予防・治療は、超高齢化社会の最重要課題であり、根本治療につながる医薬品の開発はもとより、食品の効能による予防や改善が求められている。本研究では、キノコや海藻などの天然食材から発見された希少な天然分子を化学的に合成し、分子の構造、生物体内での生成経路、神経細胞に対する作用などを解明することに挑む。また、分子構造と作用の相関関係を詳細に解析し、認知症の発症原因となる神経細胞死を抑制する人工分子の設計と開発に挑戦する。さらに、既知の抗認知症薬の製造プロセスを環境化学的に改良する手法の開発にも取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では、認知症の予防・改善に資する神経保護分子の創製を目的として、菌類や藻類から単離された天然物の化学合成、生物活性評価、および既存の抗認知症薬の低環境負荷合成を検討した。きのこから単離されたゲラニル-レゾルシノール類ならびにステロール類の網羅合成を実現し,いくつかの分子に神経細胞保護効果があることを確認した。また、紅藻由来の含臭素成分の新しい骨格構築法を見出した。低環境負荷合成については、安価な酸化・塩素剤と光を組み合わせた効率的ワンポット反応を開発し、抗認知症薬メマンチンの新規合成法を創出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,きのこや海藻の機能に関わる低分子成分の安定供給,構造決定,生物活性の解明に役立ち,天然食材の機能を成分化学的見地で理解・裏付ける根拠として意義がある。また,認知症予防に役立つ可能性のある神経保護剤を天然分子から発掘・創造する上で有用な知見を与える。研究過程で得られた分子構築法や反応手法は,既知の医薬品を含む様々な有機分子の合成に応用でき,有機合成化学の発展に広く貢献する。
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