研究課題/領域番号 |
21K05419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
伊藤 芳明 岩手大学, 農学部, 教授 (50312517)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 骨格筋 / イソチオシアネート / 食品機能 / 糖代謝 / タンパク質代謝 / 筋萎縮 / Akt / イソチオオシアネート / ストレス応答シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋は、糖やエネルギー代謝を担う生体の主要な代謝組織としての側面と身体の活動を支える運動・支持組織としての2つの大きな役割をもつ。我々は、これまでにアブラナ科野菜などに含まれるイソチオシアネート化合物に骨格筋細胞での糖取り込み活性の促進およびタンパク質分解抑制効果があることを明らかにしている。本研究課題は、イソチオシアネート化合物により活性化される細胞内シグナル分子が、その化合物による糖取り込み促進やタンパク質分解抑制といった生理作用発現に及ぼす影響を明らかにすると共に、骨格筋萎縮モデル動物を用いた生体レベルでの有効性評価を行うものである。
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研究成果の概要 |
西洋わさび等に含まれるphenethyl isothiocyanate (PEITC)は既知の抗酸化活性に加えて、細胞系での解析からAktを介した筋タンパク質分解抑制作用が期待できることが分かった。本研究では、酸化ストレスを伴う尾部懸垂による筋萎縮モデルを用いた解析から、内因性抗酸化機能の亢進が尾部懸垂に伴う骨格筋の酸化ストレスを軽減すること、また筋タンパク質分解を抑制することを見出した。加えて、C2C12細胞で観察されていたPEITC刺激による細胞内シグナル分子の応答が単離筋切片を用いたex vivoインキュベーション系でも見られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネート化合物には、従来から生体の抗酸化機能を惹起する効果があることが知られていた。研究代表者はそれに加え、タンパク質代謝制御に関わるAktの活性化を誘導することを骨格筋細胞の解析から見出していた。本研究で、廃用性筋萎縮モデルで酸化ストレス軽減と筋タンパク質分解抑制効果が見られたこと、また、筋切片をPEITCで刺激した際も細胞と同じ効果が認められたことから、細胞系だけでなく生体においても骨格筋の機能維持に対して、イソチオシアネート化合物の健康有益性を明らかにするものであり、食材成分による疾患の予防や緩和などの応用展開の基礎となるものである。
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