研究課題/領域番号 |
21K05423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 義之 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40380779)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 硫酸化多糖類 / キャピラリーゲル電気泳動 / 分別定量分析 / 免疫調節 / 多糖類分別定量分析 / キャピラリーゲル電気泳動法 / 食品機能性 / 腸管免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
天然物由来の高分子多糖類は、健康維持に関わる生理活性を有することが知られる一方で、定量分析法が確立されておらず、食品品質および機能性の正しい評価が出来ない。そこで本研究では、天然硫酸化多糖類の安全かつ効果的な食品利用を実現するため、キャピラリーゲル電気泳動原理に基づく硫酸化多糖類の識別定量分析系の構築に取り組み、海藻抽出物を含む食品素材などの多成分検体を対象とした硫酸化多糖の一斉分別定量法の確立を図る。また、海藻由来の硫酸化多糖であるフコイダンの腸管免疫改善効果を中心とする生理機能解析を行い、免疫機能の向上をはじめとする多糖食品素材の腸内環境改善効果に関する機能的品質評価系の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
天然物由来の高分子多糖類は、健康の維持に有効な生理活性を持つことが知られる一方で、食品中の含有量を測定する分析法が未だ確立していない。そこで本研究では、天然硫酸化多糖類の安全かつ効果的な食品利用を実現するため、キャピラリーゲル電気泳動の分析原理に基づき硫酸化多糖類を測定する新たな分析法の開発研究に取り組んだ。 その結果、十分な分子量分離およびキャピラリー壁への固定が達成できず構築には至らなかったものの、ポリアクリルアミドゲルを用いた硫酸化多糖の泳動と検出が可能であることを確認した。また、海藻に含まれる硫酸化多糖フコイダンが、免疫機能制御を介して、癌転移や感染症に予防効果を発揮する可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海藻のヌメリ成分であるフコイダンは、水溶性食物繊維の一種であり、食事として摂取された際に腸管免疫系の活性化ならびに腸内細菌叢の改変に寄与し、本研究では、感染病原体の侵入に対する生体防御応答ならびに感染症で生じる病態の緩和に働く可能性を見出した。一方、多糖類を種類別に測定可能な技術は、未だ確立されていないのが現状である。従って、高分子多糖の定量分析法の開発研究は大きな学術的価値を有し、フコイダン含有食品の品質および生理学的機能性の正確な評価試験法を構築することで健康の維持・向上に効果的な食品成分の利用法を社会に提案することができる。
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