研究課題/領域番号 |
21K05428
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
安藤 直子 東洋大学, 理工学部, 教授 (70360485)
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研究分担者 |
木村 真 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20261167)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トリコテセン / Fusarium / 二次代謝産物 / 糖抱合 / phase II / 解毒 / アグリコン / マイコトキシン / 食の安全 |
研究開始時の研究の概要 |
Fusarium属菌は重要穀類に感染した際、トリコテセン系カビ毒を生産し、それを食する人や家畜に健康被害をもたらす。感染される植物側はその防衛機構により、一部のトリコテセンのC-3位を糖抱合して低毒化するが、この配糖体は哺乳類の腸内環境で加水分解され、アグリコンの毒性が復活することがわかってきた。それだけではなく、Fusarium属菌もまた、自ら生産する毒物に対抗するために、C-4位の糖抱合を行うことも判明している。よって、これらの新規配糖体のリスク検証のため、その安定性、食の安全上のリスク検証、検出方法の構築等を行う。
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研究成果の概要 |
カビ毒トリコテセン類の糖抱合体は、従来の検出法で検出が困難であること、哺乳類の腸内環境でトリコテセンが遊離する可能性があることから、そのリスクが懸念されている。本研究では、これまで知見が殆どなかったFusarium属菌によるトリコテセンC-4位糖抱合について、検証を行った。その結果、Fusarium graminearumから、C-4位のグルコース転移酵素遺伝子をクローニングし、その活性を実証することができた。また、得られた配糖体はそのアグリコンに比べ、はるかに毒性が低いことも示された。さらに、trichodermolのC-4位配糖体の構造は非常に安定であることも示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリコテセン配糖体は、検出が難しい上に、体内でトリコテセンを遊離し毒性を発揮する可能性があるため、食の安全上、重大な問題となっている。これまでは、トリコテセン生産菌に感染された植物が解毒するために、C-3位を糖抱合することが知られていたが、本研究では、新たにC-4位糖抱合体が見出された。本研究では、最もメジャーなトリコテセン生産菌であるFusarium graminearumが有するグルコース転移酵素遺伝子をクローニングし、さらに生産された配糖体について構造・性状解析を行った。配糖体の農業経済的、食品衛生上のインパクトは大きいため、その調査は学術的、社会的行きが大きいと考えられる。
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