研究課題/領域番号 |
21K05435
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
升本 早枝子 福島大学, 食農学類, 准教授 (30596052)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ポリフェノール / 腸内細菌叢 / 発酵 / 腸内細菌 / 認知機能 / フラボノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ワインや茶の発酵工程中に生成される重合ポリフェノールをモデル合成し、老齢マウスに摂取させ、腸内細菌叢の解析、バリア機能の解析および尿中のメタボローム解析により、認知機能の低下抑制効果および作用機序の検討を行う。これにより、発酵工程中に生成される重合ポリフェノールによる腸内細菌叢を介した認知能力低下抑制効果およびその作用機序を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
簡略化した果実酒発酵工程モデルとして、カテキン、エピカテキンをアセトアルデヒドに添加して反応させ、Ethyl-linked anthocyanin-flavanolやEthyl-linked flavanolなどを合成することにより、ワインやシードルの発酵中に産生する重合ポリフェノール4種類を合成し、細胞でのin vitro試験を行った。マウスおよびヒトの大腸がん由来細胞を用い、シードル、ワイン、緑茶、茶、ウーロン茶のポリフェノール画分および、各々の発酵モデルで得られた重合ポリフェノールを添加し、培養を行った。バリア機能関連因子(ZO-1、occludin、claudin)およびムチン産生関連因子(MUC、TRL)の遺伝子発現変化について解析を行った。その結果、各ポリフェノール画分においては、茶ではいずれの関連因子についても大きな変化は得られなかったが、シードルおよびワインではムチン産生関連因子に増加が認められた。バリア機能関連因子についてはシードルとワイン抽出物でZO-1に増加が認められた。一方、発酵モデルによって得られたポリフェノールについては、検討を行ったいずれの因子についても、有意な結果は認められなかった。このことから、発酵モデルによって得られたポリフェノール類が、発酵過程で産生される主要なポリフェノールではない可能性が考えられた。また複数種類のポリフェノールが混在した条件下の方が、生体や腸内細菌などへの影響が大きいと推察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度からHPLCの故障、LC/MSの調整不良が続いていたことに加え、in vitro試験による結果が想定していた結果と大きく異なっていたため、進捗が遅れてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
発酵モデルによる合成で生成される重合ポリフェノールの収量が少ないこと、またin vitro試験においてそれらの重合ポリフェノールに単体によるバリア機能およびムチン産生への寄与度が低いことが予測された。その為、動物実験では、in vitro試験において効果が得られた、ワイン、シードル、緑茶、ウーロン茶からのポリフェノール画分を用いて比較試験を行う。それぞれの抽出分をマウスに与え、腸内細菌叢の変動、腸管におけるバリア機能関連因子およびムチン産生関連因子の遺伝子発現変化および尿中メタボロームの解析を行う。
|