研究課題/領域番号 |
21K05467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
奥田 徹 山梨大学, None, 理事 (10252008)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樽 / ワイン / 糖類 / 多糖類 |
研究開始時の研究の概要 |
ワイン製造においてオーク樽の使用は世界的に行われている。樽を用いる理由は,主として香り付けのためと考えられる。実際,樽の香りに関する多くの研究がなされてきた。一方,我々の先行研究により,樽材より多糖類が抽出されていることが明らかになった。多糖類はワインにマウスフィールを与えると考えられる。本研究では,樽材から抽出される多糖類成分について,詳細な分析を行うとともに,トースティングなどが多糖類に与える影響についても解析する。さらに,これらが,ワインの酒質に与える影響についても研究を行う。
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研究成果の概要 |
ワイン用樽材からワイン様アルコール溶液(モデルワイン)に抽出される糖類について定量的な実験を試みた。樽材をチップ化した後に様々な温度でトーストし,これをモデルワインに21日間浸漬した。得られた抽出液の糖類を測定したところ,70 mg/L程度の糖類が抽出された。これらの糖類の組成を調べたところ,トースト条件により大きく組成が異なり,トーストがワインの品質に影響を与える可能性が示唆された。抽出された糖類には,単糖類がかなりの濃度(15 mg/L程度)存在し,これらが樽の微生物汚染に影響する可能性が示唆された。また,多糖類と思われる成分が40 mg/L程度含まれていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ワインは付加価値が高く,農業,工業,販売までを行う6次産業として地域に潤いをもたらす稀有な産業である。現在,我が国ではワイナリーが増えており,産業として多くの地域から期待されている。ここで重要になってくるのが,価格に見合った商品価値を造り出せるかという点である。本研究では樽材からワインに抽出される成分について検討を行った。樽からは糖類が抽出され,これが微生物汚染などの原因になりかねないことが明らかになった。このことは,高付加価値なワインを製造する上で重要な知見となり,樽やチップ使用における新しい知見を提供できた。
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