研究課題/領域番号 |
21K05475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
長田 恭一 明治大学, 農学部, 専任教授 (30271795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 植物ステロール / 酸化植物ステロール / 脂質代謝 / 酸化コレステロール / 細胞毒性 / 酸化 / 体内動態 |
研究開始時の研究の概要 |
植物ステロールの被酸化性、また、どのような酸化物が生成しやすいのかを調べる。次に酸化植物ステロールの毒性を把握し、動物に投与する酸化植物ステロールを大量作成する。次に、実験動物に酸化植物ステロールを与え、酸化植物ステロールの体内移行性を把握し、各酸化植物ステロールの体内移行性の特徴と蓄積特性、また、脳組織への移行性を確認する。さらに、酸化植物ステロールと酸化コレステロールの脂質代謝への影響の違いを把握する。
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研究実績の概要 |
植物ステロールの吸収率はコレステロールと比べて低いためにその酸化物の摂取による影響については未知な点が多い。そのため、コレステロール酸化物と比べると酸化植物ステロールの吸収性や生体に与える影響に関する知見は多くない。 本年度は、食事由来酸化植物ステロールの体内への移行性ならびに脂質代謝への影響について検討した。ラットに50mgの酸化植物ステロールを3日間胃内強制投与で与えたところ、血漿、肝臓、ならびに脳で種々の酸化植物ステロールが検出された。よって、酸化植物ステロールは小腸から吸収されて末梢組織に移行することが確認された。 次に、ラットに0.25%の植物ステロールあるいは酸化植物ステロールを飼料に添加して4週間摂取させ、脂質代謝に与える影響について比較検討を行った。その結果、植物ステロールを摂取した場合と異なり、酸化植物ステロールを摂取すると肝臓の脂肪酸合成酵素活性の低下によりトリグリセリドレベルが低くなり、Δ6不飽和化酵素の遺伝子発現が高くなり、脂肪酸組成に変化が生じることが明らかとなった。 また、植物ステロールと異なり、酸化植物ステロールの摂取により肝臓のコレステロール合成律速酵素の遺伝子発現の低下、コレステロール異化律速酵素の遺伝子発現の亢進、ならびに小腸のNPC1L1の遺伝子発現の低下に伴なって肝臓のコレステロールレベルが低くなった。 以上のように、食事性酸化植物ステロールは小腸から吸収されること、また、脂質代謝に対して植物ステロールとは異なる影響を与えることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の酸化物の標準品の作成が成功し、また、酸化物のGCMS分析方法が確立した。さらに、動物に投与して脂質代謝を変動させる可能性まで確かめることができたので概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
植物ステロールと酸化植物ステロールのコレステロール代謝に与える影響、また、腸管からのコレステロール吸収と胆汁酸再吸収に与える影響を検討する予定である。 また、主要な植物ステロールの内、Stigmasterolについて酸化物を作成し、その吸収性を調べるとともに、生体内の抗酸化システム及び脂質代謝に与える影響について未酸化物と比較したいと考えている。
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