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がん患者における健康食品と医薬品併用の安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K05490
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関昭和大学

研究代表者

西村 有希  昭和大学, 医学部, 講師 (40276572)

研究分担者 倉田 知光  昭和大学, 教養部, 教授 (80231299)
岩瀬 万里子  昭和大学, 医学部, 助教 (70424273)
三邉 武彦  昭和大学, 医学部, 准教授 (00622135)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード健康食品 / 薬物相互作用 / チトクロームP450 / CYP3A / がん患者 / サプリメント / food-drug interaction / 抗がん剤
研究開始時の研究の概要

がん患者が補完代替療法として健康食品を使用する例は少なくないが、抗がん剤などの医薬品と併用した際の安全性に関する検討はほとんど行われていない。本研究では、がん患者が利用する頻度の高い健康食品と医薬品併用時の有害な薬物相互作用を明らかにすることを目的として、試験管内でのスクリーニング試験、ラットを用いたin vivo実験、ヒトを対象とした臨床研究を行う。その結果、がん患者および医療従事者に健康食品を有効かつ安全に使用するための有用な情報を提供し、薬物相互作用による有害作用発現を回避するための一助とする。

研究実績の概要

がん患者が使用すると考えられる健康食品と、抗がん剤を含む医薬品を併用した際の安全性に関する情報を提供することを目的として、引き続き検討を行った。
令和5年度は、がん増殖抑制や抗酸化作用を示すことが報告されている成分を含む健康食品として、タモギタケ、ボタンボウフウ抽出エキスを用い、医薬品代謝に重要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A (CYP3A)を阻害するかを検討した。ヒト肝ミクロソーム画分を用いたin vitro実験の結果、これらエキスは濃度依存的にCYP3A活性を阻害し、CYP3Aで代謝される医薬品と薬物相互作用を生じる可能性が示された。また、タモギタケ、ボタンボウフウが生体内でCYP3A阻害を介する薬物相互作用をおこすかを検討するため、ラットを用いたin vivo予備実験を行った。ラットにこれら健康食品を単回経口投与し、その後、CYP3Aの指標薬物であるミダゾラムを経口投与した。その結果、血中のミダゾラム濃度は、水を投与したコントロール群に比べ、タモギタケ投与により上昇する傾向が示された。一方、これまでのin vitro実験およびラットを用いたin vivo予備実験でCYP3A阻害が示唆されたスピルリナについて、ラットを用いたin vivo本試験を行った。その結果、スピルリナ投与によりMDZの血中濃度は20%程度上昇し、CYP3Aで代謝される医薬品を併用した際に薬物相互作用を生じる可能性が示された。
CYP3Aは抗がん剤を含めた多くの医薬品代謝に関与しており、摂取した健康食品によりCYP3Aが阻害されると併用薬の血中濃度が上昇し、予期せぬ有害作用を生じる可能性も考えられる。このような相互作用を未然に防ぐため、さらにヒト生体内で薬物相互作用が生じるかを検討することは重要であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

がん患者が使用する可能性のある健康食品を今年度も改めて検索した結果、検討すべき健康食品としてタモギタケおよびボタンボウフウが候補として挙げられたため、これら2品目を追加し、ヒト肝ミクロソーム画分を用いたin vitro実験およびラットを用いたin vivo予備実験を行った。
また、これまでの検討から、CYP3Aの指標薬物であるミダゾラムの血中濃度を上昇させる可能性が示されたスピルリナについて、予定通りラットを用いたin vivo本試験を行った。
一方、タヒボ、モリンガ、チャーガについては、in vivo予備実験の結果をふまえ、CYP3A阻害を介する薬物相互作用が生じる可能性は低いと考えられたため、更なる検討は行わなかった。
昨年度までの研究がやや遅れていたこと、さらに検討が必要な健康食品を追加したことから、今年度に臨床研究を遂行することができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでのヒト肝ミクロソーム画分を用いたin vitro実験、およびラットを用いたin vivo実験の結果、検討した健康食品18品目のうち、スピルリナはCYP3A阻害を介する薬物相互作用をおこす可能性が示された。
そこで、この薬物相互作用がヒト生体内で起こり得るかを検討するため、健康成人を対象とした臨床試験を行う。
被験者として日本人健康成人男性(6-8名を予定)を対象とし、CYP3Aの指標薬物としてミダゾラムを用いる。試験は2期で行い、第1期はミダゾラムを単回経口投与する対照試験とし、第2期はスピルリナを短期反復摂取後にミダゾラムを投与する。ミダゾラムの血中濃度を測定し、1期と2期で比較し、スピルリナ摂取によりミダゾラムの血中濃度が変化するかを検討する。得られた結果を解析し、抗がん剤を含めたCYP3Aで代謝される医薬品とスピルリナ併用の安全性について考察する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] がん患者が使用する健康食品のCYP3A活性に対する阻害作用の検討2022

    • 著者名/発表者名
      西村有希、柏渕弓佳、小林莉紗、倉田知光、岩瀬万里子、三邉武彦、木内祐二
    • 学会等名
      第43回日本臨床薬理学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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