研究課題/領域番号 |
21K05495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
瀬戸山 央 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 化学技術部, 主任研究員 (30589693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 線虫 / 抗糖化 / C.elegans / 糖化抑制 / 蛍光性AGEs / 老化 / 糖化産物 / グリケーション / 食品成分 / AGEs / 糖化 / 食品機能性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、体内の糖化が老化と密接にかかわっていることが明らかとなっている。 これに対して、糖化を抑制する食品成分やサプリメントなどが多く開発され、ヒトの臨床試験やマウスなどを用いて評価されている。一方、これらの評価には動物実験の倫理的配慮や費用、時間の面から多成分の同時評価が困難という課題がある。 本研究では、これらを解決するために、従来、ヒトの老化モデル生物として用いられてきた線虫に着目し、線虫の加齢(老化)と体内糖化の関係を明らかにし、線虫を用いた生体内における食品成分の糖化抑制作用評価手法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
前年度までに線虫は加齢に伴い体内の蛍光性AGES由来の蛍光強度(励起波長370nm、蛍光波長440nm)が上昇することを明らかにした。 特に15日齢以降に蛍光強度が顕著に上昇することがわかった。これは線虫においてある程度の老化が進むと体内のAGEs量が急激に増加していくことが考えられた。 さらに蛍光性AGEsのうち、クロスリンやペントシジンに由来する励起・蛍光波長に設定し蛍光強度を測定した結果、線虫では加齢に伴いこれら各蛍光性AGEsに由来する蛍光強度が上昇することが分かった。 また既知の抗糖化化合物であるリファンピシンを線虫培地へ添加した場合、線虫体内の蛍光性AGEs由来蛍光強度が低下することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
線虫の加齢に伴う体内蛍光性AGEs量の変化について、蛍光強度を測定することで明らかにすることが出来た。 また抗糖化作用を持つ食品を線虫に摂取させた場合、線虫体内の蛍光性AGEs由来蛍光強度が低下することが示されたため、本研究の目的である「モデル生物・線虫を用いた食品成分の糖化抑制評価法の開発」について、線虫体内の蛍光性AGEs由来の蛍光強度測定することで糖化抑制評価が可能であることを明らかにすることができたため当初計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
蛍光性AGEs由来の蛍光強度を指標とした測定は簡便であるが、定量的とはいえない。そのため、定量性を考慮した方法として、線虫体内の各蛍光性AGEsについてウエスタンブロットやELISAによる測定を行う予定である。 さらに蛍光性をもたない非蛍光性AGEsについて、線虫体内での老化に伴う量の変化や、既知抗糖化化合物投与による生成量の抑制を明らかにしていく予定である。
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