研究課題/領域番号 |
21K05499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 東京医科歯科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
石井 智浩 東京工業大学, バイオサイエンス統合支援センター, マネジメント教授 (60549947)
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研究分担者 |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50218004)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オプトジェネティクス / 光遺伝学 / 破骨細胞 / 細胞分化 / RANK |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞分化シグナルの異常は、骨量の異常増大等の様々な疾患につながる。本研究では新規光遺伝学ツールを用いて光により破骨細胞の分化誘導を行うシステムを開発する。光遺伝学ツールは光照射により機能のオン・オフを制御できるタンパク質分子である。様々なタイミングや強さで細胞内シグナルタンパク質の活性を操作することで、細胞分化の分子メカニズムを詳細に解析する。このシステムは、時系列的に変化する細胞内シグナルカスケードのダイナミクスや遺伝子変異の影響を詳細に解析できる有効な手段になるのみならず、医学的応用として薬剤スクリーニングや骨疾患に対する新たな治療法の開発につながる。
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研究実績の概要 |
本研究は破骨前駆細胞に光遺伝学ツールを導入し、光照射により細胞分化を誘導し成熟破骨細胞を作り出すことを目的としている。前年までの研究では、破骨前駆細胞に光遺伝学ツールを導入したOpto-RANK細胞を作成し、その細胞は光照射により形態的にも機能的にも成熟破骨細胞の特徴を有する細胞に分化することを示した。本年度は、更に詳細な解析を行うことでOpto-RANK細胞の特徴を明らかにした。 まず、細胞分化の初期応答としてMAPキナーゼカスケードが活性化することが知られていることから、Opto-RANK細胞への光照射による2つのMAPキナーゼ(p38とERK)のリン酸化をウエスタンブロットによりタンパク質レベルで調べた。光照射の条件毎にリン酸化の強さやタイミングを測定し、Opto-RANK細胞の初期応答を光でコントロールできることが確かめられた。次に光照射により骨吸収を空間的にコントロールできるかどうかを確かめる実験を行った。基質となるリン酸カルシウムで培養プレートの表面をコートし、Opto-RANK細胞を培養した。培養プレートの半分を遮光して光照射を行ったところ、光が照射された半分の領域にだけリン酸カルシウムの吸収が観察された。最後に細胞分化の阻害因子であるオステオプロテゲリンによってOpto-RANK細胞の分化が阻害されないことを確かめ、Opto-RANK細胞の分化誘導系がオステオプロテゲリン非感受性であることを明らかにした。 以上の結果は、Opto-RANK細胞の分化誘導を光により自在に操ることができそれにより局所的な骨吸収制御が可能であるということ、また生体内で応用した場合に内在性のオステオプロテゲリンによって分化抑制の影響を受けないことを示しており、細胞療法としての医学的な応用可能性が期待できる。 本研究成果を論文にまとめ、Scientific Reportsに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の主要な目的は、新規光遺伝学ツールを用いて光により破骨細胞の分化誘導を行うシステムを開発する、ということである。本年度はタンパク質レベルの解析、阻害因子を用いた研究、さらに光による空間的な細胞分化の制御という応用的な研究を行うことで目的はほぼ達成できたと考える。これまでの研究結果をまとめて論文を書き、Scientific Reports誌に投稿、掲載までやり遂げることができた。おおむね順調に進展したと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の主要な研究目的は達成できたと言えるが、「開発したシステムを用いて細胞分化の分子メカニズムを詳細に解析する」といった応用面については、さらに研究を進めたい。光照射により細胞内シグナルタンパク質の活性を時空間的に操作することで、シグナルと細胞応答の関係を明らかにする。
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