研究課題/領域番号 |
21K05505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
加藤 太陽 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40548418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヌクレオソーム / DNA / 並進補正 / マイクロコッカルヌクレアーゼ / ヒストン / エピジェネティクス / ソフトウェア |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストンタンパク質にDNAが巻きついたヌクレオソームコア粒子(NCP)は、エピジェネティクスの制御基盤として重要な役割を果たします。NCPはトランス因子と特定の空間的位置関係で相互作用すると考えられますが、細胞内の文脈でそれを理解するためには、ゲノム座標上でのNCP配置を厳密に把握する必要があります。本研究は、実験的に得られたNCPの位置情報をソフトウェアレベルで補正する手法の確立を目指します。
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研究実績の概要 |
本研究は、実験的に得られたNCPの位置情報をソフトウェアレベルで補正する手法の確立を目指している。 前年度に引き続き、MNaseによる切断パターンの詳細な検討を行い、適切にヌクレオソームを選抜すればケミカルマッピングに匹敵する解像度でヌクレオソームDNAを調査できることを確かめた。ただし、この手法はMNase切断バイアスと相性の良いヌクレオソームしか対象とすることができず、並進配置補正の必要性が高いことが裏付けられた。また、MNaseを用いたマッピングから高解像度に得たヌクレオソームDNAの情報とケミカルマッピングで得た情報との比較の結果、ケミカルマッピングがもつ技術的なバイアスが、これまでより明確に浮かび上がった。すなわち、切断箇所近くの短いDNA配列に対してケミカルマッピングは強い嗜好性をもっていた。この事実は、単にケミカルマップを用いて並進補正を行ったとしても、それはケミカルマッピング特有のバイアスを受けた補正になってしまうことを意味していた。これを受けて、ケミカルマッピングによる技術的バイアスを詳細に検討した。 並進配置補正精度を高めるため、ヒストンH4-S47CとH3-Q85Cを用いて同定されたヌクレオソームDNAから、両方のメソッドがバイアスをもつ領域を避ける形でキメラ配列を作成し、ハイブリッド確率モデルを構築した。これまでの予測法との比較に加え、生体内でのヌクレオソーム配置の予測精度の調査を行い、これまでより高い精度でヌクレオソーム配置を予測できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
並進配置補正を精度よく行うためには、ケミカルマップで得られた確率モデルによる最適座標の選出が要となる。ケミカルマッピング技術がもつ切断バイアスをDNA配列の観点から明らかにし、さらにそのバイアスを緩和した相性予測が可能になったことで、より高い精度での並進配置補正が実現すると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
これまで主にデータ解析に注力してきたが、当初より精度の高い予測ができるようになってきた。これを踏まえて、生体試料側の最適条件等についても検討を重ね、より高い精度で並進配置補正ができるようメソッドを構築したい。
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