研究課題/領域番号 |
21K05511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
野村 俊尚 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (20722771)
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研究分担者 |
松島 良 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80403476)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ユーグレナ / パラミロン / 貯蔵多糖 / ゲノム編集 / パラミロン粒 / 形態形成 |
研究開始時の研究の概要 |
ユーグレナは、貯蔵多糖としてβ-1,3-グルカンの結晶であるパラミロン粒を蓄積する。パラミロン粒のサイズや個数、形状はユーグレナ種内で多様性を示し、これらを制御する何らかの機構が存在すると推察されるが、その実態は不明である。また、パラミロンは食品機能性成分やバイオプラスチックの原料として昨今注目されており、利活用の効率化につながるパラミロン粒サイズを制御する技術の開発ニーズも高まっている。そこで、ゲノム編集ベースの遺伝子スクリーニングなど独自開発した手法を駆使することで、ユーグレナにおけるパラミロン粒のサイズや個数、形状制御に関わる分子機構を明らかにすることを目的とした研究を実施する。
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研究実績の概要 |
今年度はまず、ユーグレナ(Euglena gracilis)におけるパラミロン粒の形態形成制御の分子メカニズムを明らかにする手がかりを得ることを目的として、パラミロン粒形成が誘導される初期のタイミングでの細胞試料を用いたRNAシークエンス解析を行なった。さらに、パラミロン粒形態の制御機構が遺伝子発現レベルでの制御に依らない可能性も想定し、ユーグレナより抽出したパラミロン粒試料を対象としたショットガンプロテオーム解析も併せて実施した。これらの解析により、本種のパラミロン粒形成に関与する可能性が想定される遺伝子候補群の絞り込み作業を取り進めた。 加えて、本研究の基盤となる技術をより盤石にするために、確立済みの高効率ゲノム編集法を基軸としたユーグレナを対象とした遺伝子改変技術のさらなる拡充にも着手し、新規の手法などを開発した。 一方、研究代表者の確立したゲノム編集技術をベースとした手法を用いることにより、パラミロン合成酵素をコードするGSL2遺伝子の発現抑制がパラミロンの含有量だけではなく、顆粒の形態にも影響を与えうることを見出した。従って、パラミロンの生合成レベルの調整が顆粒の形状制御に関与する可能性が示唆され、今後新たに着目すべき点として挙げられた。 上記の今年度における進捗により、本研究課題の基盤となる情報と実験技術の整備、および課題解決の手掛かりとなりうる知見を概ね収集することができたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス感染拡大により当該研究に用いる物品の入手などが滞る事態も生じたが、初年度の研究計画については概ね進めることが出来たと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に続き、候補遺伝子の絞り込み、および見出された候補遺伝子へのゲノム編集手法を用いた変異導入などを順次実施することにより、ユーグレナにおけるパラミロン粒形態形成に関わる因子の探索を取り進める。
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