研究課題/領域番号 |
21K05514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山本 将之 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (10456402)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リグナン / ゴマ / 機能性成分 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ゴマリグナン(セサミン、セサミノールなどのゴマ種子に含まれるリグナン)総含量の決定に関与する遺伝子の同定と、それら遺伝子の機能解析を通じてゴマリグナン総含量決定の分子機構の解明を試みる。まず、ゴマリグナンの含量が異なるゴマ系統を材料に、GWAS(ゲノムワイド関連解析)などの分子遺伝学的手法を用いた比較を行い、ゴマリグナン総含量を決定する遺伝子の候補を探索する。その後、絞り込んだ候補遺伝子の機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究ではゴマリグナン(セサミン、セサモリン、セサミノールなどゴマ種子に蓄積するリグナン)の総含量決定の分子機構の解明を目的に、ゴマリグナン生合成や蓄積にかかわる遺伝子の同定を試みている。 ・ゴマリグナン総含量を制御する候補遺伝子の探索 これまでに異なるリグナン総含量を示す2系統の交雑に由来する遺伝集団を用いたQTL seq解析を行い、約8 Mbpのゲノム領域にリグナン総含量の高低に関与する原因遺伝子を絞り込み、領域内に存在する候補遺伝子の解析を行った。今年度も引き続き候補遺伝子の解析を試みたが、原因遺伝子の同定には至らなかった。そこで原因遺伝子が存在する領域のさらなる絞り込みを行った。約8 Mbpのゲノム領域内に存在する両親間の塩基多型を元に、4種のDNAマーカーを作成し、両親間の交雑に由来するF2世代遺伝集団の遺伝子型の判別を行った。その結果、約8 Mbpの領域内で染色体の組換えが生じた個体を複数得た。今後はこれら染色体組換え個体のリグナン総含量を計測し、遺伝子型データとあわせることで、原因遺伝子領域を限定していく。 ・セサミノール生合成系遺伝子の探索 本研究では新規セサミノール生合成遺伝子の探索も試みている。これまでに行ったセサミノール高含有系統と低含有系統の登熟種子を用いたRNA seq解析のデータを詳細に解析したところ、新たな候補遺伝子を見出した。この候補遺伝子は、2種の低含有系統において高含有系統よりも登熟種子中での発現が低いこと、2種の低含有系統アレルのコード域には、他の系統には存在しないアミノ酸置換を伴う塩基多型が存在することから、セサミノールの生合成に関わる可能性が高いと考えられた。今後はこの遺伝子に関して、in viroで酵素活性の調査を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゴマリグナン総含量を制御する候補遺伝子の解析に関して、原因遺伝子領域のさらなる絞り込みを行い、絞り込んだ領域から改めて候補遺伝子の探索を行うことにした。前年度までに着目していた候補遺伝子の解析と同時に解析を進めた結果、絞り込みのための実験の進行が当初の計画よりも遅くなってしまった。次年度はこちらの解析に絞り進めていくことで、原因遺伝子の同定が可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
・ゴマリグナン総含量を制御する候補遺伝子の探索 原因遺伝子が存在する領域の絞り込みを引き続き行い、絞り込んだ領域から候補遺伝子を探索する。見出された候補遺伝子の登熟種子における発現解析や翻訳産物の機能解析を行い、ゴマリグナン総含量を制御する遺伝子の同定を行う。 ・セサミノール生合成系遺伝子の探索 新たに見出した候補遺伝子の酵素活性の調査を行う。
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