研究課題/領域番号 |
21K05517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 静岡県立農林環境専門職大学 |
研究代表者 |
森口 卓哉 静岡県立農林環境専門職大学, 生産環境経営学部, 教授 (80343945)
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研究分担者 |
齋藤 隆徳 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (20753479)
林田 大志 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (90802017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リンゴ果皮色 / MYBアレル / 発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
果皮が赤く着色しない青リンゴに関わるMYB様転写因子遺伝子(MYB)のアレルは、従来、転写されないため機能がないとみなされてきた。しかし申請者のこれまでの研究から、袋掛けによりMYBの上流DNA領域のメチル化状態が変化し、その結果、MYBが転写されるようになり、「陸奥」では青リンゴにも関わらず果皮が赤くなることが明らかとなった。そこで本提案ではMYBアレルの機能を詳しく解析するとともに、青リンゴ「陸奥」を袋掛け処理で赤く着色させるための最短の袋掛けの期間を明らかにする。得られた成果は多様な消費者ニーズに対応した果皮色を有する果実の生産やリンゴの省力栽培に供することができる。
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研究実績の概要 |
リンゴではMYB様転写因子(MYB)のMYB1-1アレルの転写が成熟期前に誘導されて、下流のアントシアニン合成関連遺伝子群を活性化して果皮が赤くなる。着色に関わるMYBアレルのうち機能がないアレル(MYB1-2、1-3および1-4)が、袋掛け処理により転写されることが明らかとなった。そこで、次の3点を明らかにすることを目的とした。 ①MYB1-2やMYB1-3はそもそも機能があるのか、単離した遺伝子を35Sプロモーター下でタバコ等に導入して確かめる。②無袋栽培時では、MYB1-1はメチル化されず、MYB1-2やMYB1-3はメチル化されているのかを確かめる。③「陸奥」のMYB1-2やMYB1-3の転写誘導に必要な袋掛け期間と、MYB1-1を持たない「陸奥」以外の品種も袋掛けで着色するのかを確かめる。 ①直接に転写されているかをシーケンスデータから解析したところ、機能が無いとされていたMYB1-2/1-3が転写されていることを確認した。②袋掛けした果実、無袋の果実で、MYB1のプロモーター領域を含む配列でのメチル化程度を調べたところ、「陸奥」では、上流-168~-45の領域で、袋掛けした果実(有袋)で有意にメチル化程度が無袋よりも低下していた。③着色を誘導するに必要な最短の袋掛け処理期間について、「陸奥」を用いて調査した。慣行栽培では満開後 120日間袋掛け処理を行い、収穫1か月前に除袋して着色させるが、今回、100日間の袋掛け処理期間でも十分に着色することが分かった。また、「陸奥」以外の青い果皮色を有するリンゴ品種を供して、袋掛け処理したところ、「王林」、「弘大みさき」、「印度」等では、袋掛け処理により果皮色が赤くなる可能性が見いだされた。このように袋掛け処理により、同一の品種でも果皮色の異なるリンゴ果実となり、付加価値をつけて販売することが可能となる。
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