研究課題/領域番号 |
21K05524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
金 俊植 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (60769610)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NOBIRO / 小胞体ストレス応答 / 根の身長制御 / ストレス応答性成長制御 / NOBIRO6 / TAF12 / 転写補因子 / 根の伸長成長 / 植物環境応答 / 根の伸長 / 細胞分子遺伝学 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
作物育種の二大目標として、劣悪環境への耐性強化と生産性の向上を掲げることができます。一方、植物の目線から環境耐性と生育成長は真逆の生理代謝であるため、両者間のバランス機構を理解し上手に両立させていくことが、これからの作物育種の大きな課題であります。本研究では、環境耐性機構の一部でありながら、ストレスとは関係なく根の伸長に大きく関わる遺伝子制御機構の発見を起点とし、その分子機構の解明を目指します。環境耐性と生育成長のバランス機構の正体であると期待される本機構の詳細を解き明かすことで、これからの作物育種に有効な知的基盤と育種材料を提供することが期待されます。
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研究実績の概要 |
この研究の目標は、3つのnobiro変異系統の原因変異を単離し、その分子生物学的メカニズムを解明することです。今年度は、①前年度に発見されたnobiro1原因変異候補を証明するために多重変異株を作成し、②nobiro9の原因遺伝変異を探索して多重変異株を作成し、そして③「先進ゲノム支援」の支援を受けて、本課題の対象ではないnobiro系統の原因変異を発見しました。 ① nobiro1原因変異の候補を証明するために、bz1728とnobiro1を含む三重機能欠損変異株bz1728nbr1を作成しました。そのために、T-DNA挿入によるnobiro1単一機能欠損変異株とbz1728の交雑、またはnobiro1遺伝子をターゲットにしたbz1728植物へのCRISPR/Cas9ゲノム編集を行いました。bz1728nbr1の根の伸長成長をbz1728やnobiro1単一変異株と比較することで多重変異の効果を評価しました。その結果、bz1728nbr1の根はbz1728よりも長く、nobiro1と同程度の伸長成長を示したため、発見した遺伝変異が単一原因変異であることが証明されました。 ② nobiro9についても、nobiro1と同様の研究を行いました。その結果、三重変異株bz1728nbr9の根はbz1728よりも長かったものの、nobiro9よりも短い伸長成長を示しました。この結果から、nobiro9の原因変異は単一(nbr9-1)ではなく、他の原因変異も存在することが示唆されました。 ③本研究課題を基盤に、先進ゲノム支援の支援を受けて、他の7つのnobiro系統の原因遺伝変異を探索しました。その結果、5つのnobiro系統から論理的に合致する原因変異を発見しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記概要で記載しました通り、本研究は当初の研究計画に沿って順調な進捗を示しています。
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今後の研究の推進方策 |
先に解析を一段落させたnobiro6の例を参考にして、nobiro1およびnobiro9-1の根の伸長成長を裏付ける遺伝解析を行います。明らかになった原因遺伝子の既知の分子活性に基づき、網羅的な遺伝子発現解析をはじめとする機能解析を行います。さらに、他のnobiro系統の候補変異を証明するために、遺伝学的実験を行います。
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