研究課題/領域番号 |
21K05537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中島 大賢 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70710945)
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研究分担者 |
加藤 洋一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50463881)
郭 威 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70745455)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | トウモロコシ / 耐倒伏性 / 群落構造 / 草型 / 群落形成 / 画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
作物個体群が織りなす構造は,群落の受光態勢と強風条件下での物理的安定性の両方に影響を及ぼす.しかし,群落構造と個体発生・器官発育の関係を詳細に理解するためには,層別刈り取り法などの旧来の構造解析手法よりも高精度かつ迅速な非破壊測定技術が必要である.そこで本研究では,無人航空機や自走ローバーを用いた計測技術と画像解析による評価手法を開発し,作物群落の形成過程から崩壊に至る詳細を個体発生応答に還元しながら明らかにすることを目指す.得られた計測データを集積し,群落の受光態勢と物理的安定性の両立に必要な形態的特性を明らかにすることで,理想的な群落構造とそれに関わる形質の同定を試みる.
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研究実績の概要 |
昨年度までに,子実の収量性が異なる飼料用トウモロコシ2品種の草型および群落構造に関わる形態形質を調査し,その品種間差異を明らかにした.本年度は,これらの品種のほか,耐倒伏性が異なる3品種を新たに供試した.また,従来の破壊調査や2次元草姿骨格解析に加えて,SfMによる3次元点群再構築技術および茎部に取り付けた加速度センサアレイによる茎物性評価法を開発・導入し,耐倒伏性に関わる地上部・地下部の形態特性を解析した. その結果,個体あたりの緑葉数や葉面積には有意な品種間差は認められなかったものの,耐倒伏性に優れる品種では上位-中位葉の個葉面積が有意に小さかった.また,葉身形状にも有意な品種間差異が認められ,耐倒伏性品種では上位-中位葉の葉身が長く,幅が小さい形態を示した.さらに,加速度センサーアレイを用いた茎物性評価から,茎強度には品種間差があり,いずれの品種においても着雌穂以下の茎強度が上位茎に対して顕著に硬く,耐倒伏性品種では上位/下位の強度比が小さい傾向にあった.これらの形態形質や物性は,群落上層の受風面積の低減や受風圧を受け流すうえで有用な形質になりうると考察された.さらに,耐倒伏性品種では根系支持力も強く,その要因として,上位節根の理想的な出根角度や側根に対する乾物分配率が高いことが見いだされ,耐倒伏性品種では地上部と地下部両方の構造が倒伏リスクの軽減に寄与している可能性が示唆された. 今後は,地上部構造の品種間差異が実際の風応答や群落の受光態勢に及ぼす影響を定量的に評価する必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,昨年度から試行を重ねてきた3次元点群再構築技術や加速度センサーアレイを用いた茎物性評価などの新規手法を開発・導入することで,地上部の形態特性を様々な観点から個体スケールで詳細に解析することが可能となった.これにより,耐倒伏性品種における地上部構造の特徴づけが格段に進んだ.一方で,群落規模での構造評価はやや遅れており,個体スケールで得られた知見を群落規模に展開することが現状の課題と言えるが,全体としてはおおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,新規手法の導入により,地上部の形態形質や茎物性の詳細な特徴づけが可能となったが,これらの品種間差異が実際の強風下でどの程度地上部負荷量の低減に寄与するかを定量的に評価する必要がある.そこで,次年度は,地上部構造が異なる品種を対象に加速度センサーやトルクセンサーを取り付け,強風下での風応答の実測を試みる.これらの知見を統合し,トウモロコシの受風態勢と受光態勢を両立するうえで必要な草型関連形質と群落構造を検討する.
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