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ケイ酸資材投入によるソース能向上は高温登熟耐性を強化するか?

研究課題

研究課題/領域番号 21K05541
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関島根大学

研究代表者

氏家 和広  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (60465276)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードイネ / ケイ酸 / 白未熟粒 / 玄米外観品質 / 葉面積 / 窒素 / 吸水能 / 高温耐性 / 登熟 / ソース能
研究開始時の研究の概要

高温による白未熟粒(白く濁った米)発生の軽減は、生産者にとって重要かつ緊急の課題である。白未熟粒は、粒への炭水化物供給が不足することによって発生する。したがって、出穂期以降の炭水化物供給能を向上させることが、白未熟粒発生の軽減における鍵となる。ケイ酸は、植物体の硬化を通じて効率的な受光を可能にし、また、気孔を開きやすくすることで光合成速度を高める。これらの効果は炭水化物供給能を向上させるが、その機構については不明である。本研究では、①ケイ酸が炭水化物供給能を向上させる機構を解明し、②最適なケイ酸施肥体系を確立する。さらに、③高温条件下でのケイ酸施用が白未熟粒発生を軽減できるかを明らかにする。

研究実績の概要

現在、社会的な問題となっている白未熟粒の発生は、主に登熟期の高温が原因である。高温によって幼玄米の成長が高速化し、それに見合った炭水化物の供給が間に合わなくなることで発生する。イネにとっての必須元素であるケイ酸の施用により、この白未熟粒発生を軽減し、玄米外観品質を高める対応策を提案することが本研究の目的である。
令和5年度までの実験より、ケイ酸の葉面散布と窒素追肥強化(実肥)を同時に行うことで、白未熟粒の発生を軽減し、玄米外観品質の改善に繋がることがわかった。
ケイ酸の葉面散布は出穂期以降の葉面積を高く維持し、これによって乾物生産能、すなわちソース能が向上した。また、この葉面積の拡大は下位葉の枯れ上がりが遅延することで発生することを明らかにした。しかしながら、ケイ酸の葉面散布単独では整粒率の増加や白未熟粒率の減少といった玄米外観品質の改善は見られなかった。これは、下位葉の枯れ上がりが遅延することで、本来穂へ転流される窒素が下位葉に留まってしまい、幼玄米で窒素不足を引き起こしていることが原因と推測した。前述の通り、白未熟粒発生の主たる原因は高温であるが、窒素不足によっても白未熟粒発生は増加することが知られている。実際にケイ酸の葉面散布と窒素追肥強化を同時に実施した区では、対照区や窒素追肥強化のみを実施した区よりも整粒率が向上し、白未熟粒が減少する傾向にあった。
これらのことから、ケイ酸の葉面散布は実肥の実施と組み合わせることによって白未熟粒発生の軽減に効果的であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、令和5年度までの研究によって白未熟粒発生を軽減する手法を提案することができた。今後、ケイ酸が下位葉の枯れ上がりを抑制するメカニズムを解析すると共に、複数年の実験を重ねることで異なる環境での反応の違いを解析する。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、ケイ酸の葉面散布を生産者のための技術として落とし込むことを目標に研究を行う。特に適切な施用の時期、量、回数等を詳細に検討していく。加えて、ケイ酸の葉面散布が下位葉の枯れ上がりを抑制するメカニズムを解析するため、葉位別の葉緑素含量、ケイ酸含量、窒素含量、含水率、個葉光合成速度、気孔伝導度の測定に加えて、遺伝子発現量の網羅的解析を行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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