研究課題/領域番号 |
21K05544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
阿部 淳 東海大学, 農学部, 教授 (60221727)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | スクミリンゴガイ / イネ / 育苗 / 雑草 / けい酸施肥 / 水稲 / ジャンボタニシ除草 / けい酸 / けい酸肥料 / 窒素肥料 / 苗の食害 / ジャンボタニシ / 水田雑草 / 除草管理 / 有機農法 |
研究開始時の研究の概要 |
スクミリンゴガイ(通称「ジャンボタニシ」)は、熱帯地域や日本の西南暖地で外来生物として侵入しイネを食害し被害をもたらしている一方で、九州の自然栽培・有機栽培農家がスクミリンゴガイに雑草を食べさせることで省力的で優れた除草効果を上げる「ジャンボタニシ除草」を試みている。この方法は、苗が軟弱だったり代かきの均平度が低かったりした場合には、イネが食害を受けたり、除草効果が上がらないなどの問題を生じる。本研究では、「ジャンボタニシ除草」を成功させるための栽培技術や、スクミリンゴガイを適正な個体数に保つ方法を確立し、スクミリンゴガイでも除草できない一部の外来雑草についてその原因を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
熊本県では,自然農法の農家を中心に,スクミリンゴガイに雑草の実生を食べさせて除草することが行われているが,そうした水田でも,イネも食害にあって減収の要因となることが多い. スクミリンゴガイによる食害を少なくするには,(1)稚苗よりも中苗や成苗で移植する,(2)にこまるなどの食害されにくい品種を用いる,(3)育苗時の窒素肥料は適量に留める,(4)育苗時にけい酸資材を投与する,などの方策があり,とくに,けい酸資材の利用が,イネ苗を硬くし,移植後の食害を軽減するのに有効と考えられた. また,収穫後は,耕起せずに土壌硬度を保つことで,水田土壌内で越冬するスクミリンゴガイの個体数を減らすことができる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来生物であるスクミリンゴガイは拡散を防ぐことが望ましいが,既に侵入してしまった地域においては,その存在を前提とした稲作の技術を確立する必要がある.熊本県では,スクミリンゴガイが侵入した地域で,雑草の実生をスクミリンゴガイに食べさせることで除草剤の使用を軽減している農家が少なくない.ただし,イネも食害を受けるために株数や,茎数・穂数が減る被害が出やすく,代かきによる土壌表面の均平度などが問題となる. 本研究では,イネ育苗時のけい酸資材の利用など,安価で簡便な技術により,スクミリンゴガイによるイネ食害の軽減が図れることを明らかにしており,水稲作の現場において役立つ知見を提供できた.
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