研究課題/領域番号 |
21K05546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
笠島 真也 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (30564463)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | コムギ / 草型 / きたほなみ / 窒素施肥 / 多収性 / ソース・シンク / 細麦 |
研究開始時の研究の概要 |
水稲において古くから知られている多収理論の一つである草型理論(作物の姿勢の改善に基づく多収理論)はコムギには当てはまらないと考えられてきた。北海道のコムギ基幹品種「きたほなみ」は理想的な草型であり、登熟後半まで乾物生産と窒素代謝を高く維持することが知られている。しかし、その草型に基づく多収機構は不明な部分が多い。 本研究では、ソース(葉などの炭酸固定を行う光合成器官)とシンク(穂などの光合成産物を貯蔵する貯蔵器官)の概念に基づき、窒素施肥法により草型の制御が可能であることを草型の定量的評価を通して明確にし、良好な草型によりソース・シンク能が強化されることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
窒素追肥法に着目して秋播性コムギ品種「きたほなみ」の多収機構を検討した。窒素追肥は施用量と時期(起生期‐幼穂形成期‐止葉期)を変えた2処理区を設けた。窒素成分で起生期に6g/m2施用し、幼穂形成期と止葉期に施用しない6-0-0区を対照区とし、起生期に追肥を行わずに幼穂形成期と止葉期に3g/m2ずつ施用した 0-3-3区を設けた。収量と穂数は6-0-0区が0-3-3区よりも有意に多かった。ただし、播種量が多い区では、6-0-0区に比較して0-3-3区の減収程度は小さかった。千粒重と子実タンパク質は0-3-3区が6-0-0区よりも有意に高かった。以上より、「きたほなみ」の窒素追肥時期を幼穂形成期以降に遅らせることにより穂数が制御され、子実タンパク質含有率が約1ポイント増加した。また、登熟後半の乾物生産が大きく増加することも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
穂数制御が窒素追肥法により可能であり、また登熟後半の乾物生産の増大が増収要因として関与することを明らかにした。これらはソース・シンク能の評価を通じて明らかになった結果であるため、全体として研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度ではデータの年次間差を検証し、物質生産や窒素代謝の面から多収機構を明らかにしていく。
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