研究課題/領域番号 |
21K05548
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
前川 富也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, 推進チーム長等 (40409090)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ダイズ / 根粒窒素固定活性 / 根粒菌 / 根粒菌菌種間差 / 温度依存性 / 非破壊的窒素固定測定法 / 作物学 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズの根粒菌種の窒素固定活性(ARA)に関する報告は圧倒的に少ない.そこで,実際の栽培現場に近い状況下での各根粒菌種のARAを評価するために5種の根粒菌種(USDA110,6,31,123,94)を用いて根粒菌の菌種間差と特性の調査をおこなう. 本研究では,新たに作成した実験系で複数の根粒菌種が共生しているダイズの各根粒菌種を“同時”かつ”個別“に測定し菌種間差を調査すること,また,各根粒菌種の特性を把握するため,異なる温度帯条件下での測定を行い,ARAの温度反応性を調査することを目的とした. それらの結果から,土着根粒菌群の状況を詳細に把握し,根粒窒素固定を活用したダイズ収量向上を目指す.
|
研究実績の概要 |
ダイズの根粒窒素固定活性(ARA:アセチレン還元活性)は、様々なストレスによる影響を受けるが、ダイズと根粒菌種の組み合わせや土壌中の多様性に富んだ土着根粒菌の影響も受ける。そこで、同一個体に2種類の根粒菌種が共生しているダイズの根粒窒素固定活性を測定し、残っている根粒菌のパターンの全ての組み合わせで、菌種間差を同時かつ個別に測定することを本年度の研究目的として進めてきた。 当初の予定とは異なり、R4年度に研究代表者が研究推進室の業務との兼任となり、研究に割く時間の減少がみまわれた。工夫して、窒素固定活性の測定を計画していたが、R4年度の根粒窒素固定活性の測定は、兼任業務との兼ね合いでダイズ栽培を進める時間が減少してしまった。また、一部の人工気象室も修繕不可となったため,隣接する他の研究者が使用している人工気象室を間借りして、兼用での使用予定だったが、それもスケジュールの兼ね合いでおこなうことができなかった。これらのことから、ダイズの窒素固定の調査を進めることができなかった。 そこで、今年度は各ダイズサンプリングの窒素分析を進めた。その結果、ダイズ根粒菌の菌種間の窒素含量(g/g(DW))は、おおよそ「USDA110:USDA6:USDA31:USDA94=1.39:1:0.81:1.48」となった。 以上のことから、異なる2種類の根粒菌を感染させた状況下でのダイズ植物体の窒素含量に菌種間差があることがわかってきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダイズの根粒窒素固定活性(ARA:アセチレン還元活性)は、様々なストレス(地温、土壌水分、ダイズの生育 等)による影響を受けるが、ダイズと根粒菌種の組み合わせや土壌中の多様性に富んだ土着根粒菌の影響も受ける。しかしながら、根粒菌の窒素固定活性に関する菌種間差の報告は非常に少なく、単一の根粒菌種を接種して評価した報告が多い。 そこで、研究代表者は栽培現場により近い状況の各根粒菌種の窒素固定活性を評価するために、同一個体に2種類の根粒菌種が共生しているダイズの根粒窒素固定活性を測定し、菌種間差を同時かつ個別に測定すること、その根粒菌の特性の1つである温度依存性を探ることを目的として研究を進めてきた。 研究代表者は、先行研究とR3年度の試験より4種類の根粒菌種(USDA110、USDA6、USDA31、USDA94)のうち2種類の根粒菌を独自に開発した根分け法の実験系の各区画に個別に接種し、全ての組み合わせでARAを測定した。その結果、異なる2種類の根粒菌を感染させた状況下での窒素固定活性に菌種間差があることがわかってきた。それは、おおよそ「USDA110:USDA6:USDA31:USDA94=3.23:1:1.61:2.61」となった。 当初の予定とは異なり、R4年度に研究代表者が研究推進室の業務との兼任となり、研究に割く時間の減少がみまわれた。そのため、当該年度は、残りの根粒菌USDA123の全パターンの調査を進める予定であったが、兼任の業務との兼ね合いで、研究を進める時間が減少し、窒素固定の調査が進まなかった。そこで、本年度はこれまでサンプルしたダイズの窒素分析を進めた。その結果、ダイズ植物体の窒素含量にも菌種間差があることがわかってきた。 以上のことから、今後のダイズの年間の栽培回数(実験回数)の減少が予想され、進展に関しては、遅れていくと考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
R5年度の研究計画は、選択した5つの根粒菌の全てのパターンの根粒窒素固定活性の測定を進めることを予定している。 R5年度から、研究代表者が再び人事異動により、つくば市の中日本農業研究センターから秋田県大仙市の東北農業研究センターへ異動となった。 異動にあたり、測定機器等を再び整備する必要があり、ダイズ栽培が軌道にのるまで少々時間がかかると思われる。そのため、栽培回数(実験回数)が減少することが予想されるため、研究計画の変更は遅れることが予想される。また、栽培する人工気象室に関しては、今後は室内の人工気象機により代用することで対応を予定している。 そのため、大まかな計画には問題ないが進行速度は遅れると考えている。
|