研究課題/領域番号 |
21K05552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
田澤 純子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, グループ長補佐 (50355533)
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研究分担者 |
内野 彰 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, グループ長補佐 (20355316)
遠野 雅徳 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 遺伝資源研究センター, 上級研究員 (50547718)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 水稲 / 有機栽培 / 米ぬか施用 / Clostridium属細菌 / 有機酸 / コナギ / 雑草防除 / 米ぬか散布 / 米ぬか / 水稲有機栽培 / 嫌気性細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
水稲有機栽培では水田雑草コナギの防除が課題となる。コナギ防除には米ぬか散布が有効であるが、その効果は不安定なため、防除メカニズムに基づいた技術の安定化が求められる。本研究では、米ぬか散布後の土壌中に増加する物質と微生物の中から、コナギ種子の発芽阻害に関与する物質と微生物を特定し、コナギ防除メカニズムの詳細を明らかにする。これにより、米ぬか散布技術の防除効果の安定化が可能となり、水稲有機栽培における雑草防除技術の向上が期待できる。
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研究実績の概要 |
1)10年以上水稲有機栽培を継続している水田土壌に米ぬかを添加し得られた培養液を、4種類のイオン交換カラムで処理しコナギ種子の発芽阻害活性を調査した結果、強陰イオンカラムを通過した培養液は発芽阻害率が低下したため、抑制物質は酸性物質であると推測された。 2)この培養実験系の土壌、または水稲有機栽培中の圃場より採取した水田土壌を熱処理し、嫌気条件下で得られたコロニーから複数菌株を単離した。この中の一部の菌株の米ぬか培養液は、強いコナギ発芽阻害を示した。このうち2菌株について全ゲノム解析等を行った結果、新種であることが判明しClostridium folliculivoransと命名した。本菌は、嫌気性を好む同属菌としては珍しく強い酸素耐性能を示した。また、本菌のゲノム中の構造遺伝子には、米ぬか由来の難分解性バイオマス分解酵素遺伝子が複数個存在した。 3)米ぬか培養液中の揮発性成分を香気捕集剤により抽出しGC-MSで網羅的に一斉解析した結果、阻害濃度の酢酸と酪酸が検出された。またコナギ発芽阻害率を目的変数、各成分の積分値を説明変数としたP L S分析の結果、変数重要度の高い成分として酢酸・酪酸を含む短鎖脂肪酸とエタノール、エチルエステル類が示された。 4)水稲有機栽培圃場表層から土壌を採取し、土壌DNAのアンプリコンシーケンス解析の結果、米ぬか施用によりClostridium属細菌や他の複数の嫌気性細菌が増加することが確認された。水稲移植約40日後のコナギ発生量は、米ぬか施用区では無施用区に比べて概ね9割程度抑制された。
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