研究課題/領域番号 |
21K05559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
國分 尚 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (20282452)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 可逆的花色変化 / 液胞pH / アントシアニン / RNA-seq / ナトリウム/水素トランスポーター / 花冠pH / 花色変化 / フロックス |
研究開始時の研究の概要 |
クサキョウチクトウ青色品種は時間帯や天気によって青と赤紫の間で色調が繰り返し変化する。そこで、様々な色の品種を用い、含有色素の種類と品種ごとの色素組成、色素ごとのpHによる色調変化、温度・光環境が花弁pHに与える影響、関連する遺伝子の発現を詳細に調査することで、花色変化の機構解明を目指す。研究結果は今後の育種において青色品種に安定した青の色調をもたらし、環境制御による遺伝子発現制御を可能にする。
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研究成果の概要 |
クサキョウチクトウ青色品種は1つの花の寿命である1週間程度の間、環境条件によって青紫と赤紫の間で可逆的花色変化する。本研究により概日リズムは否定され、すべての青色品種で17°Cの低温・暗黒で青紫に、30°Cの高温・照明下で赤紫になった。花弁抽出液のpHは色調の変化とともに変化し、青紫の時にpH5.8よりも高くなった。赤花品種でもpHは変化したが最大5.7で、花色変化しない要因の一つと考えられた。RNA-seqによって青紫と赤紫の花弁における遺伝子発現を比較したところ、液胞pHの調節に関与するPHX2のホモログが発見され、その発現は赤紫花冠では青紫花冠に比べて発現量が4分の一以下に減少していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、環境を調節することでpHを任意に設定できれば、クサキョウチクトウが水素イオントランスポーター遺伝子などを始めとするpH調節のモデル植物となり、この分野の学術的発展に繋がる可能性が示された。また、環境条件によって花色が変わる性質を抑制することで、常に安定した青色を発現する品種の開発が可能になるだけでなく、逆にこの性質を強めることで、室温によって色が変化し、冷房の効きすぎを警告するなど温度の目安にもなる品種の開発につながる。また、本研究の副産物として得られたトランスクリプトームの情報は今後のフロックス属の分子遺伝学的研究の基礎資料として有用である。
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