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花被片の展開を制御するジャスモン酸合成の多様性の理解と八重咲き花育種への展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K05563
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39030:園芸科学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

北村 嘉邦  岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90578139)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードジャスモン酸 / 花被片 / ユリ / 花器官 / 八重咲き / 育種
研究開始時の研究の概要

ユリ属植物(Lilium spp.)を用いて調査を進める.ユリ属植物では,雄蕊でJAを合成する雄蕊JA合成型,同じく心皮JA合成型,中間型が存在する可能性を認めている.本課題では,可能なかぎり多くのユリの園芸品種と原種を各JA合成型に位置付ける.そして,JA合成系遺伝子と転写因子遺伝子の発現解析により,JA合成型の分類結果を裏付ける.また,心皮や雄蕊を欠く八重咲き品種でのJA合成機構を明らかにし,花卉産業において不可欠な八重咲き花の育種戦略を策定するための道標を示す.

研究実績の概要

概要:昨年に引き続き,八重咲きユリでのジャスモン酸合成に関わる花器官の特定に向けて調査を継続した.主にはジャスモン酸合成系遺伝子群の発現解析と,ジャスモン酸蓄積が認められる花器官の解析である.ユリの八重咲き品種には,一重咲きと同様に明確な4つのwhorlが小花に認められるアジアティック型と,明確なwhorlが認められないローズリリータイプがある.本年度の調査では,アジアティック型を用いて調査を進めた.
ジャスモン酸合成系遺伝子群の発現解析:花被片,雄蕊の花糸,心皮の3つについて,ジャスモン酸合成系遺伝子群の発現を解析した.一重咲きユリ品種を用いた昨年までの調査では,花蕾からの花器官除去実験の結果から雄蕊の花糸でジャスモン酸が合成されている可能性を認めた一方で,ジャスモン酸合成系遺伝子群の発現が花糸で特に高くはなかった.アジアティック型の八重咲き品種を用いた調査では,花器官除去実験においてはwhorl3の花器官の除去によって明確に歌碑編の展開が抑制された.よって,アジアティック型の八重咲きユリにおいては弁化した雄蕊がジャスモン酸合成に関わることが強く示唆された.一方で,発現解析の結果では,ジャスモン酸合成系遺伝子群の発現がwhorl 3の花器官で特に高くはなく,花器官除去実験と発現解析の結果に一貫性が認められなかった.これは,上記の一重咲きユリで得られた結果と同じ傾向であった.
ジャスモン酸蓄積の解析:花被片と心皮ではジャスモン酸は検出されないか非常に低い蓄積量を示した.一方で,whorl3に形成された弁化した雄蕊については,ジャスモン酸が高蓄積しているサンプルと他のwhorlの花器官と同程度の蓄積量を示すサンプルが混在していた.ユリの小花では雄蕊が6本形成される.弁化前の雄蕊の形成位置の違いがジャスモン酸の蓄積量に影響している可能性がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ジャスモン酸合成系遺伝子群の発現解析の結果は予想と異なっている.一方で,雄蕊の形成位置とジャスモン酸合成との関係に新たな知見が隠されている可能性を認めており,質的な進捗が得られている.

今後の研究の推進方策

一重咲きおよびアジアティック型八重咲きユリから,雄蕊あるいは弁化したwhorl3花器官のサンプリングを進めている.これらについてジャスモン酸の蓄積量の解析を進めていく.

報告書

(2件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Low jasmonic acid accumulation causes the defect in the tepal expansion in double-flowered green lily cultivar, ‘Doubleen’2023

    • 著者名/発表者名
      Takuya Fukasawa , Mikiko Kojima , Yumiko Takebayashi , Hitoshi Sakakibara , Ken ichi Matsushima , Ken ichiro Yasuba , Yuichi Yoshida , Tanjuro Goto , Yoshikuni Kitamura
    • 雑誌名

      Scientia Horticulturae

      巻: 308 ページ: 111539-111539

    • DOI

      10.1016/j.scienta.2022.111539

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 八重咲きユリ品種の花被片の展開・着色と心皮様器官の存在との関係2021

    • 著者名/発表者名
      北村嘉邦 , 深澤拓也 , 山藤由華 , 安場健一郎 , 吉田祐一 , 後藤丹十郎
    • 学会等名
      園芸学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

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