研究課題/領域番号 |
21K05582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
篠原 卓 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90459719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | パッションフルーツ / 熱帯果樹 / 生理的落果 / RNA-Seq解析 / エチレン / オーキシン / 細胞壁 / RNA-Seq / 器官離脱 |
研究開始時の研究の概要 |
パッションフルーツ(PF)は適熟となり生理的落果した果実を収穫する亜熱帯果樹である.近年,高品質な果実生産を目的とした国内栽培面積は増加しているが,酸度が高いまま落果する成熟前落果(Premature Fruit Drop: PmFD)が課題となっている.研究代表者は,これまでに果実からのエチレン放出量が非常に微量な時期にPmFDが発生すること,離層部のセルラーゼ活性は果実のエチレン放出量に応答しないことを報告してきた.本研究は,RNA-Seq解析により,PF離層部におけるPmFD関連物質を明らかにする試みである.本研究によってPFのPmFD発生機構を明らかにすることで,高品質なPF生産技術確立への貢献が期待できる.
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研究成果の概要 |
パッションフルーツにおいて未成熟のまま果実が落ちる成熟前落果は生産上の問題である。この成熟前落果が発生するメカニズムを明らかにするために研究を行った。 成熟前落果が発生する時期と発生しない時期の離層部で発現する遺伝子を網羅的に測定・比較するRNA-Seq解析を実施して、成熟前落果に関連する物質の選抜・特定を試みた。その結果、パッションフルーツ成熟期間中のエチレン生成の増加により、細胞壁構成物質の減少や細胞壁構造機能の低下がみられ、離層細胞が崩壊するため落果が生じると考えられた。エチレンに対する感受性は品種間差異があり、ごく微量のエチレン生成で落果する品種は成熟前落果しやすいと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の熱帯果樹研究は,地球温暖化に対応するためマンゴー、パッションフルーツ、チェリモヤ、レイシなど熱帯・亜熱帯果樹の栽培普及の必要性から、栽培法の改善についての研究が多くなされてきた。その中で,開花直後の「落花」を抑え着果安定を図るために,施設内温度と花器の発達異常,花粉発芽率、雌しべ受容性など解剖学的,生殖生理学的研究がなされ世界の果樹研究に貢献してきた。 本研究は、分子生物学的手法によって成熟前落果に関わる物質を特定し、それらの物質への感受性の品種間差異を示した点で学術的意義がある。また、これらの知見は低酸度で高品質なパッションフルーツ生産に貢献する可能性がある。
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