研究課題/領域番号 |
21K05594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宇佐見 俊行 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (50334173)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 植物病原糸状菌 / 病原性 / 土壌伝染病 / 宿主範囲 / Verticillium属菌 / 植物病害 / 半身萎凋病 / 糸状菌 / 菌類 / 植物病原菌 |
研究開始時の研究の概要 |
Verticillium属菌は、広い宿主範囲を持ちながら系統ごとに明確な病原性分化が認められる代表的な植物病原糸状菌である。しかし、本属菌の宿主範囲決定機構の全体像はいまだ明確ではない。特に、V. dahliaeの全系統が病原性を示すナスなどに対する病原性決定因子の解析は、V. dahliae同士の交雑では困難である。本研究では、アブラナ科に特異な病原性を示す異質2倍体種V. longisporumとV. dahliaeを交雑することで、ナスなどへの病原性を決定する菌ゲノム配列を明らかにし、宿主決定機構や本属の種分化・病原性分化機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ナスに病原性を示すVerticillium dahliaeと、ナスに病原性を示さないV. longisporumのプロトプラスト融合により、両種のゲノムを合わせ持つ3倍体の融合株が多数得られた。これらはナスへの病原性を失っていた。これらをベノミル添加培地で培養し、ナスへの病原性を回復した菌株を選抜したところ、その染色体数は大きく減少していた。両種の融合株から染色体数を減少させることでナスへの病原性が回復するため、V. longisporumのゲノムにはナスに対する非病原力因子が存在すると考えられた。本研究では、本属菌の種レベルでの宿主選択に非病原力因子が関与することを初めて示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Verticillium属菌は様々な作物に萎凋性病害を引き起こす植物病原糸状菌である。本菌は耐久生存体により土壌中に十年以上生残し、広範な双子葉植物に感染するため、その防除は極めて困難で、世界各地の作物生産に甚大な被害を与えている。本属菌の宿主範囲は菌種あるいは菌株ごとに異なるが、その宿主選択メカニズムは解明されておらず、これが防除を一層困難にしている。本研究では、本属菌の種レベルでの宿主選択に非病原力因子が関与することを世界で初めて示した。これは、本属菌の病原性決定機構を解明して防除法を確立するために、極めて重要な知見である。
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