研究課題/領域番号 |
21K05601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
大島 一里 佐賀大学, その他部局等, 理事 (00176869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 分子進化 / 病原体未来進化予測 / ポティウイルス / カブモザイクウイルス / ジャガイモYウイルス / ウイルス進化推進力 / 新興病原ウイルス / 植物ウイルス / 拡散年代 / 世界地図 / 日本地図 / 侵入年代 / 未来進化予測 / ウイルス / 推進力 / ゲノム進化 |
研究開始時の研究の概要 |
農作物に甚大な被害を与える代表的な病原ウイルスとしてRNAゲノムを持つポティウイルスがあり,応募者はこれまでゲノム分析し,ウイルス進化の三大推進力である突然変異,組換えそして再集合について世界に先駆けて明らかにしてきた。 スーパーコンピューターを用いた分析系が確立できたことにより,より大量のウイルスゲノムを一度に様々な角度から複数回分析できるようになった。 そこで本応募では,過去の進化を検証しつつ,幾つかのウイルス拡散の地球地図を世界に先駆けて完成させるだけでなく,課題として残されていた病原性進化に関わった推進力の爆発年代をウイルス種としてだけでなく属レベルとしてまで明らかにする。
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研究実績の概要 |
次世代型研究である病原体未来進化予測の基盤を構築することを目的として研究を遂行してきた。具体的には,これまで応募者が独自に蓄積してきた分子進化情報に加えて,農作物や人類の移動経路を考慮しながら,ウイルス病原体が起源地からハブ地である発生中心地にどの時代に移動し,その後世界各地域にどのような経路で拡散していったのか,また我が国にどのような経路で侵入し,国内でどのように循環しているのかなど解明してきた。即ち全国規模そして地球規模での視点から分子進化を明らかにすると共に,これまで課題として残されてたウイルス病原性進化に関わった推進力をウイルス種並びに属レベルまで明らかにして,病原体未来進化予測の基盤を構築することを目指した。 ポティウイルス種の代表的な種としてジャガイモYウイルスや世界中に分布しているカブモザイクウイルス(TuMV)が挙げられるが,今年度はそれらゲノムの大量情報について,さらにはTuMV分子系統グループに存在するスイセンウイルス,ネギ属ウイルスそしてポティウイルス属全体に焦点を当て,突然変異並びに組換えの進化推進力そして宿主適応などの分子進化情報について,進化速度から爆発年代進化や拡散を世界規模で分析してきた。特にTuMV分子系統グループのウイルス集団並びにTuMV集団に焦点を再度当て,補足しなければならないウイルスゲノムの塩基配列について,新しく開発された最新の組換え検出プログラムを用いて再解析を行い,分子疫学的及び進化的な知見をもとに病原性進化を再分析評価し,応募者が積み上げてきたゲノム情報と合わせて未来の病原体の未来進化予測の基盤構築を行った。最終的には国内外に発生しているウイルスの拡散や侵入年代の再推定を行い,植物ウイルスとしてこれまでにない膨大な集団を用いた再分析となり,今後投稿論文として予定している公表に可能なデータを揃えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公表を予定している投稿論文のデータを揃えられることができた。
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今後の研究の推進方策 |
投稿予定の論文に必要な進化学的な解析を再度精査して,原著論文を投稿すると共に,目的としているウイルス分子進化推進力分析から未来進化予測の基盤を構築する。
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