研究課題/領域番号 |
21K05603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
武部 聡 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20227052)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膜孔形成毒素 / 広域選択毒性 / Bacillus thuringiensis / 生物農薬 / スクミリンゴガイ / チャコウラナメクジ / ヒトスジシマカ / 殺虫タンパク質 / ボウフラ / 水生有害生物 / 標的細胞認識 |
研究開始時の研究の概要 |
外来生物であるスクミリンゴガイとチャコウラナメクジの農作物被害はともに深刻である。土壌細菌由来のCry46Abはβ型膜孔形成毒素で、これら外来生物に食毒性を示すが、魚類には作用しない。この標的生物認識機構を利用して、有害生物の効率的駆除および安全かつ環境負荷の小さい生物農薬の設計を行う。まず、Cry46Abの標的細胞認識を担うペプチド領域を同定し、次に、このペプチドと他の生物がつくる毒の成分との融合タンパク質を作製し、有害生物駆除の有効性を検討する。さらに、融合タンパク質毒を不溶化し、水中や多湿環境でも使用できるようにする。
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研究成果の概要 |
ボウフラ、スクミリンゴガイやチャコウラナメクジなどの有害生物に食毒性を示すCry46Abはβ型膜孔形成毒素のひとつで、このタンパク質の標的生物認識機構を利用すれば、安全かつ環境負荷の小さい有害生物駆除法を確立できる。 Cry46Abの標的生物認識は、受容体との結合が重要なステップと考えられる。そこで、このタンパク質の表面に配置される2つの芳香族アミノ酸クラスターのアミノ酸置換変異体を多数作製して活性の変化を検討し、受容体との結合には両方のクラスターが必要であることを示した。この領域の受容体との結合機構の解明は、優れた選択毒性をもった生物農薬の開発につながると思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スクミリンゴガイは水田に生息し、イネの害虫とみなされる。日本には食用として持ち込まれ、その後養殖場から逃げ出して野生化した。生息域は日本海側や北関東におよんでおり、被害は拡大している。また、東南アジアでは水田の脅威となっている。チャコウラナメクジは1950年代後半に侵入した外来種で、今では本州以南でごく普通に見られる。アブラナ科の農作物に被害が生じている。蚊はジカ熱などの感染症を媒介する。2014年に起きたデング熱の国内感染から、温帯性の蚊でも熱帯性感染病を媒介することが示され、駆除の重要性が増している。本研究が目指す選択毒性の高い生物農薬の開発は、これら有害生物の効果的駆除法のひとつになる。
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