研究課題/領域番号 |
21K05604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
藤崎 恒喜 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 園芸資源研究部, 主任研究員 (30626510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 植物ウイルス / ウイルス制御因子 / シロイヌナズナ / SWBV-C1 / 植物RNAウイルス / ウイルス増殖制御因子 / 順遺伝学的解析 / Proviral factor / トムブスウイルス / 宿主因子 / 遺伝学的解析 / 温度依存的ウイルス増殖 / 防御応答 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では申請者が独自に単離したシクテウォーターボーンウイルス(SWBV)のシロイヌナズナにおける低温依存的増殖という特性に着目し、SWBVを発現誘導プロモーターの制御下で温度シフトと組み合わせて発現させることで、従来より高精度/ハイスループットのシロイヌナズナの順遺伝学的解析実験系を構築した。本系とNGS解析を組み合わせることで、新規ウイルス感染関連因子の迅速な同定を試みる。さらに本研究ではレポーター遺伝子の利用による量的ウイルス増殖評価系、ウイルスの移行/植物防御応答検出系への発展の可能性も検討し、より網羅的なウイルス感染関連因子の順遺伝学解析実験系の確立を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、独自に単離したシクテウォーターボーンウイルスのC1系統のシロイヌナズナにおける低温依存的増殖機構を利用した同調的大規模ウイルス感染発動系を用いて、ウイルス増殖制御因子を順遺伝学的に同定する技術開発を行った。約7万系統のシロイヌナズナ変異株から、200系統以上のウイルス増殖抑制変異候補株を選抜し、そのうち17系統は強いウイルス抵抗性を示した。また、それらの中には複数種のウイルス増殖に影響を与える中核的ウイルス感染制御因子の変異株も含まれることがわかった。遺伝学的解析からは原因遺伝子候補としてeIF4Gを1年ほどで同定するなど、本系の有効性を示す結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス感染制御のためにはウイルスと植物との相互作用の理解すが不可欠である。その解明を目指して遺伝学的/生化学的手法による様々な研究が行われてきたが、まだ十分ではない。本研究では、独自に単離したSWBV-C1の特性を利用したウイルス感染発動系と近年のNGS解析技術を組み合わせることによって、ウイルス感染制御因子を順遺伝学的に大規模解析可能な独自の実験系を構築した。これにより短期間で大量の変異株を少労力で選抜し、原因遺伝子の同定にまで至ることができた。その過程で様々な変異株が得られてきており、それらの解析が進めば、新規のウイルスー植物間相互作用の理解と感染制御技術の開発につながると考えられる。
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