研究課題/領域番号 |
21K05615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (90183037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キイロショウジョウバエ / 囲食膜 / 遺伝子ノックダウン / 腸内細菌叢 / インシュリン様ペプチド / 酢酸菌 / 乳酸菌 / 日和見細菌 / キチン結合タンパク質 / Peritrophin-15b / GAL4/UASシステム / インスリン様ペプチド / 黄色ショウジョウバエ / インスリンシグナル / 腸管免疫 / ペリトロピン |
研究開始時の研究の概要 |
Pin-15bの感染防御における機能解明を目的に、ハエ腸管に発現している Pin-15b タンパク質の機能解析を開始したところ、Pin-15b は囲食膜の安定化だけではなく、インシュリンシグナルによるエネルギー代謝を介してボディサイズを規定していることが推定された。Pin-15bは、インシュリンシグナルによるエネルギー代謝に対して、どのような役割を果たしているのかモデル生物を用いて解明する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究成果は、1)Pin-15b RNAiハエのノックダウン系統ではコントロール系統と比較して成虫の中胸の長さが有意に増加したが、血リンパ中の糖濃度には有意な差はなかった。2)Insulin-like peptide 2 (ILP2)は、ノックダウン系統において転写量が増加し、飢餓耐性も上昇した。したがって、腸内細菌叢については、ノックダウン系統ではLactobacillus属とProvidencia属の細菌数が増加し、Pin-15bは腸内細菌叢の恒常性維持の働きを担っていると考えられた。3)抗生物質処理により腸内細菌数を減少させたハエ(axenic、AXハエ) の解析を行った。当研究室で単離されたAcetobacter persici (SK1)、A. indonesiensis (SK2)、L. pentosus (SK3)、P. rettgeri (SK4) をAXの一齢幼虫から継続的に感染させたところ、SK1、SK3、SK4感染群においてAXハエと比較して中胸長が有意に増大した。ノックダウン系統の囲食膜の透過性が上がることで、腸内細菌叢の影響によりハエの代謝経路が変化して中胸長が増加したことが示唆された。 最終年度には、ノックダウン系統は、体長や体重だけでなく、総タンパク質量や総中性脂肪量、さらにはILP2と脂質動員ホルモンの発現が増加することを見出した。無菌飼育したノックダウン個体では体長変化や代謝異常が認められなくなり、SK1、SK3、SK4を単独感染させることで表現型がレスキューされた。代謝変化と生存率の関係を調べるため栄養条件を変えて飼育したところ、ノックダウン個体では高脂肪食飼育下で短命になり、酵母を含まない低栄養食条件では寿命が延伸した。囲食膜は腸内細菌叢の恒常性維持に寄与するとともに、宿主の代謝系を制御していると考えられた。
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