研究課題/領域番号 |
21K05617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
門 宏明 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30616412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | カイコ / 分散型動原体 / テロメア / 人工染色体 / DNA複製起点 / セントロメア |
研究開始時の研究の概要 |
カイコ染色体の特徴を利用し、効率よく細胞内で維持可能な人工染色体の構築を目指す。カイコは、1本の染色体上に多数のセントロメア領域(分散型動原体)を有しており、そのため、カイコ細胞内で分断された染色体断片が世代間においても安定に維持される。染色体末端はテロメア反復配列とレトロトランスポゾンにより構成されている。これらカイコに特徴的な染色体構造を利用し、長期間にわたり安定的に細胞内で維持される人工染色体の作製を目的とする。
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研究成果の概要 |
人工染色体は宿主染色体を損なうことなく長鎖DNAを細胞内に導入可能であり、安定的に遺伝情報を継承できる。カイコは、分散型動原体をもつ生物であり、その特性を生かした人工染色体の応用が期待される。本研究では、カイコ培養細胞で安定的に維持される人工染色体作製のための基盤構築を目的とする。Golden gate法を用いて、カイコゲノムを含む長鎖環状DNAの構築し、Cenp-TとCenp-Nを用いた動原体タンパク質の局在化技術を開発した。また、カイコのテロメア末端維持機構の解析を進め、関連遺伝子を同定した。これにより、カイコ人工染色体構築の基盤が形成され、今後の遺伝子改変技術の発展に寄与する成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動原体による染色体分配、および、テロメアの維持は、生物が生命を維持するために不可欠なシステムである。本研究は、カイコにおけるこれらの分子装置の理解と、それに基づく人工染色体の基盤構築を目的とした。本研究により、長鎖環状DNAの構築、および、遺伝子発現技術を確立することができ、今後のカイコ染色体研究の足がかりになると考えている。また、カイコにおける人工染色体技術は、昆虫工場として利用されるタンパク質発現系の高付加価値化(糖鎖修飾など)、および、高栄養価タンパク質源として利用される昆虫の遺伝子経路改変への応用も期待される。
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