研究課題/領域番号 |
21K05630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
加納 光樹 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 教授 (00527723)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 塩性湿地 / 大規模クリーク / 植物帯構造 / 微地形 / 魚類・無脊椎動物群集 |
研究開始時の研究の概要 |
塩性湿地(汽水域にあるヨシ等の抽水植物からなる湿地)のクリークは、開発や災害によって大半が消失したが、ウナギをはじめ様々な絶滅危惧種や水産有用種を含む魚類・無脊椎動物の重要な生息場所であり、その保全・再生は急務である。本研究では湾岸埋立地に造成した大規模クリークの種多様性や水産有用種の生息密度を天然クリークと同等の水準に高めるために、生物生息基盤に関わる主要な物理環境(植物帯構造やクリーク微地形)を改変し、魚類・無脊椎動物群集の変化を追跡する実験を行う。この実験の成果は、生物多様性の保全と持続的な水産業の発展のために各地で実施されている沿岸環境保全・再生事業の現場で有用である。
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研究実績の概要 |
わが国の塩性湿地(汽水域にあるヨシ等の抽水植物からなる湿地)のクリークは、開発や災害によって大半が消失したが、ニホンウナギをはじめ様々な絶滅危惧種や水産有用種を含む魚類・無脊椎動物の重要な生息場所であり、その保全・再生は急務である。本研究では東京湾岸埋立地に造成した大規模クリークの種多様性や水産有用種の生息密度を、関東平野に局所的に残存する天然クリークと同等の水準に高めるために、生物生息基盤に関わる主要な物理環境(植物帯構造やクリーク微地形)を改変し、魚類・無脊椎動物群集の応答を明らかにすることを目的とする。 野外実験地の大規模クリークにおいて、2022年の初夏にヨシ等の抽水植物を除去した区画と除去しない区画を確立した後、定期的に植生管理を行うとともに、水質や底質、植生などの環境調査や各種漁具・調査器具による魚類・底生無脊椎動物の定量採集・観察を実施した。調査期間中に両区画ではマサゴハゼやトビハゼなどの絶滅危惧種、マハゼやスズキなどの水産有用種を含む魚類14種、エビ類5種などの生息が確認された。魚類については干潮・満潮時ともに区画間で大きな差異は認められなかったものの、エビ類については満潮時に植物を除去しない区画で多い傾向が認められた。 今後は、植物帯構造以外の生物生息基盤に関わる主要な物理環境についても改変し、魚類・無脊椎動物群集の変化を追跡していくなかで、効果的な生物生息基盤改良技術について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響が残るなかでも、当初予定していた物理環境と生物生息状況の現地調査を計画通りに終えることができた。一方で、すべての環境データの解析と生物サンプルの処理・解析を当年度内に終える予定であったが、底生無脊椎動物の一部については当初予定よりも分析に時間がかかり、処理を終えることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定より野外調査で得られた生物サンプルの一部で処理が遅れているが、今後、一定の時間を割くことで処理は終えられる見込みである。今後の野外調査では、大規模クリークにおいて植物帯構造以外の物理環境を改変し、環境条件や魚類・底生無脊椎動物群集の変遷についてモニタリングを行い、効果的な生息基盤改良技術について検討していく。
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