研究課題/領域番号 |
21K05640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
楠部 真崇 和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (40403761)
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研究分担者 |
林 和幸 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30587853)
横田 恭平 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (60632734)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | バイオセメント / 多層化造粒 / アマモ / ブルーカーボン / ブルーナチュラルキャピタル / アマモ場 / 菌叢解析 / 底質分析 / 海洋微生物フローラ / 微生物多様性 / 硫化水素 / 適地診断 / バイオセメントFe / 硫酸還元菌 / 硫黄酸化細菌 / 海洋環境保全 / SDGs |
研究開始時の研究の概要 |
バイオセメントの弱い強度を、海砂に戻すために必要な特性としたコンセプトで研究を立ち上げた。SEM画像の解析から、海洋細菌の作用により海砂粒子間に炭酸カルシウムの析出を確認し、約50kgの圧縮強度を計測した。本研究で開発するバイオセメントは和歌山県日高町沖へ沈設し、約6割のアマモ発芽を目標設定した。本テーマの一つでもある多層化造粒においても、炭酸カルシウムとほぼ同様の手法で実施可能であると見込んでいる。また、炭酸鉄による高比重化によってシールズ数を向上し、底質への自然埋没を促すことで潮流の影響にも耐えやすくなると考えている。
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研究成果の概要 |
主たる目的である多層化バイオセメントの製造は実施できた。また、3層までのバイオセメントは確実に実施できることを確認できた。多層化バイオセメントが崩壊する際、一層ずつの崩壊を期待して観察したが、バイオセメント全体が崩壊した。バイオセメント造粒物からのアマモ発芽および生長は確認できた。種子の状態であろうか、発芽が認められない個体もあり、今後さらに条件検討を行いながら原因を調査する必要がある。 多層化バイオセメントにおいて、水槽内および天然海砂での化学分析および微生物のメタゲノム解析を実施した。底質状態を大幅に変化させることはなかったが、穏やかに調整できる能力を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブルーカーボンという言葉が認知されはじめ、海洋での炭素固定に関して産業界が着目するようになってきた。我々が開発した多層化バイオセメントは海洋環境に造粒物が残存せず、また海底底質内に適切なミネラルや栄養素を種子とともに届けることができる。 また、ゴルフボールよりも小さな砂の塊は、子供でも手軽に海中に投げ入れることができるだけでなく、足が不自由で海の保全活動に参加できなかった方にもその機会を提供できる設計となっている。海洋環境保全の取り組みに、誰もが参加できる仕組みづくりの一助にもなると考えている。
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