研究課題/領域番号 |
21K05651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木下 剛 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (30282453)
|
研究分担者 |
霜田 亮祐 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (00758914)
竹内 智子 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (30892426)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | グリーンインフラ / 自然公物 / 都市公園 / 河川 / 遊水地 / 海岸 / 緩傾斜護岸 / 親水空間 / 流速 / 水位変動 / iRIC / 洪水調整 / 流域治水 / 氾濫原 |
研究開始時の研究の概要 |
都市型洪水の調整に資する河川と公園の連携手法について、公園の氾濫原化と新しい公共空間の創出という観点から検討を行い、以下の諸点を明らかにする。 1)河川に隣接する公園を氾濫原として活用するための設計シミュレーション(標準断面等の検討)と関連法制の運用手法(河川法、都市公園法の連携)について検討するとともに、洪水調整上の効果検証(流量及び貯留量の推定)を行う。 2)公園を氾濫原化することの社会的受容の可能性について、公園の利用者並びに管理者の双方の視点から検証する。 3)河川と公園を一体のグリーンインフラとして設計・管理していくためのガイドライン提案、社会実験を行う。
|
研究実績の概要 |
青森市の合浦公園、横内川及び沖館川の多目的遊水地において、自然公物が都市公園としてどのように整備・管理されているかについて現地調査を行ない、以下の事を確認した。 合浦公園は自然海岸とその後背地を敷地とする青森市管理の都市公園である。都市公園区域は海岸線迄で水面は含まれない。水面は青森県が管理し、都市公園の底地は公園利用を条件とする国有地の無償貸借による。海水浴場は夏期のみ水面および公園区域の一部を占用して設置される。これは海水浴場の設置管理団体が水面を管理する県と、公園を管理する市に、港湾法と都市公園法に基づく占用許可を得て設置するものである。また、海水浴場で発生した水難事故等の管理責任は、基本的に海水浴場の設置管理団体が負う。これを要するに、合浦公園は自然海岸をその水際線迄都市公園区域とした希少な前例である。この事例が示す最も重要なことは、自然海岸(ただし水面を除く)を都市公園に取り込み様々な用途に供することは可能ということである。なお、水域も含めて都市公園区域とする例もあり、その場合は水域と海域の一体的な整備が可能となる。 横内川多目的遊水地のスポーツ広場及びわくわく広場は都市公園であり、土地の所有や利用に係る権原は市に帰属する。一方、沖館川遊水地の諸施設は県からの借地による。現地調査の結果、遊水地は公園化されることで様々な機能を獲得したが、それらの機能は必ずしも生態系サービスに基づくわけではないことが明らかとなった。遊水地の中で生態系や自然環境の比重が高まるのは、公園区域であるか否かに拘らず、洪水(撹乱)の頻度が相対的に高い場所であることがこれまでの調査から明らかである。こうした事実を踏まえれば、都市公園に自然公物をいかに取り込むかということに加え、取り込んだ自然公物の利用効用をいかに最大化するかをハードとソフトの両面から考えていくことが重要となる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルス感染拡大の影響により、2022年度に予定していた国内調査(熊本県)や利用ニーズの推定に係る調査が行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
適切な調査地を選定し(熊本市の坪井川緑地を予定)、氾濫原化または自然公物を生かした公園整備を可能とした要因ならびにそうした空間に対するニーズを促す要因に関するデータを補足する。また、これまでの研究成果を取りまとめ、公園の氾濫原化シミュレーションと公園管理のためのフロー図を作成する。
|