研究課題/領域番号 |
21K05652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
朝廣 和夫 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (30284582)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 屋敷地林 / タイポロジー / 樹種構成 / Teknaf / Bangladesh / バングラデシュ / テクナフ / 屋敷林 / 生活利用 / バイオマス |
研究開始時の研究の概要 |
バングラデシュ・テクナフ郡の生活改善に資する屋敷地林のタイポロジー研究は、最南端でミャンマーと国境を接するテクナフ郡の屋敷地林を研究対象とする。貧困やロヒンギャ難民の流入により森林が違法収奪により荒廃する一方、屋敷地林は住民により保全され生活を支えている。この貴重な屋敷地林緑地の樹種構成、住民のバイオマス利用、生産物、屋敷地林の空間配置の調査を行い、屋敷地林の類型化、および、機能や形態を代表する屋敷地林タイプのデザインを明らかにする研究である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、BSMRAUのDr. Md. Abiar Rahman、および、現地で雇用した調査員の協力を得て、屋敷地林における空間調査を実施した。研究代表者は、補助調査員1名と共に、8月18日~28日の期間、Bangladeshに入り、Teknafに8日間滞在し、Sabrang, Teknaf Sadar, Nhilla, Baharcharaのエリアに分布する約26か所の世帯の屋敷地林の空間調査を実施した。調査内容は、平面の簡易測量、IPad Proおよびバックパック型LiDARスキャナ、そして、Thetaによる360度写真を5m上空から撮影、測量を実施した。訪問世帯については、調査許可が得られなかったり、盗賊の出るエリアもあり、一部、調査を断念し、代替の世帯の調査を実施した。全体的に、果樹などの多様な樹種を植栽してきた高齢世代から、ビンロウジュなど限られた換金作物を好む若い世代に変わっており、樹種転換に加え、都市化による土地活用による屋敷地林の宅地化の進む傾向が確認された。ロヒンギャ難民の流入によるガスの供給が地域に行われていたが、ガス価格の高騰や支援の縮小の煽りを受け、再び薪による調理環境に戻る世帯が多く確認された。屋敷地林の縮小、国有林の継続的な盗伐、林分の単純林化などが進んでいると推察された。 調査の最後はDhakaに戻り、BSMRAUを訪問し、学長、および、リモートセンシング研究室の研究員らと研究打ち合わせを実施した。 調査データは、研究代表者の方で、屋敷地林の平面、樹木配置などの整理を進め、樹種構成と面積を用いた屋敷地林類型と社会データ、空間データの関係性について分析中である。 研究全体として、感染症の影響などもあり遅れており、2024年度も継続し、ジャーナルに投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BangladeshのTeknaf半島における屋敷地林のフィールド調査は、感染症、現地のセキュリティが不安要因として顕在化し、2022年度に入り、ワクチン接種により両国において海外渡航が可能となり、実施することができた。一方で、インフレによる旅費の高騰により、調査員への支払い、飛行機を含む移動費用が想定よりも高額となり、計画していた、複数大学との連携、現地の学生の参加、日本からの学生の参加などを減らさざるを得ず、調査の人員を3名に限り、実施した。また、現地では盗賊による活動が増加し、調査対象屋敷地林の変更を余儀なくされた。今後、取りまとめを継続して進捗させる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に経費の繰り越しを行った。分析においては、社会的データの統計分析を進め、より、詳細な、屋敷地林との関係を整理するとともに、現地において調査すた空間情報を用い、CADを用いた平面図の作成、モデリングを行い、ビジュアルとして、屋敷地林のタイプの差異が分かるようにデータの作成を行う予定である。 また、ジャーナルへの投稿も実施する。
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