研究課題/領域番号 |
21K05656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
村上 修一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (60283652)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | resilience / abnormal weather / disaster prevention / water-friendliness / landscape urbanism / 異常気象 / 防災 / 親水 / 気候変動適応 / レジリエンス / 親水性 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動時代の海面上昇対策で堤防が強化されると,親水性の低下や防災意識の希薄化が懸念される。そこで,高潮による浸水被害想定が深刻な大阪湾の沿岸を対象に,現在の沿岸空間の類型化,親水活動と空間との関係の解明,人々の浸水と親水に対する意識の把握,海外の先駆事例における浸水対策と親水性の両立の要因の解明,水とともに暮らす新しい沿岸空間モデルの構築と提言および社会実装の可能性と課題の解明,を目的として5年間の研究を行う。1年目の今年度には,大阪市5区の沿岸を踏査して断面図を作成し,沿岸空間の類型化を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は,まず,研究対象地域(大阪市)における新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況のために昨年度未完であった,沿岸空間の現地踏査と類型化を行った。 結果として以下のような特徴がわかった。①特定用途で占用され公共のアクセスが想定し難い沿岸が全体の約6割を占めている。②公共のアクセスが想定し得る約4割の沿岸のうち,約8割で水際が垂直面であり,約8割で独立壁または台形の堤防が存在し,約9割で堤防基部,堤外,傾斜面の上端に比べて堤内が同じ高さか低い。③水際,堤防,堤内の断面形の組み合わせが21通りあるものの,水際が垂直,堤防が独立壁,堤内が同じ高さか低い,という特定の組み合わせが約5割を占めている。④堤内から堤外に対する可視性や到達可能性を低めると予想される要素が,沿岸の相当部分を占めている。⑤割合は低いものの,垂直面以外の水際は水に対する接近可能性を高め,堤防の無い平坦面や傾斜面,堤防や堤外よりも高い堤内は,堤内から堤外に対する可視性や到達可能性を高めると予想される。 次に,沿岸空間の類型化の結果にもとづき,公共のアクセスが可能な水辺の区間を抽出し,親水活動の把握を行った。調査の方法を事前に検討し,観察やアンケートといった従来の方法では水辺における人々の行動を網羅できないため,Instagramの投稿による把握を試みることとした。公共のアクセスが可能な水辺の区間においてGoogleMap掲載の地名を抽出し,それらの地名でハッシュタグ検索を行って,地名ごとの投稿数を記録するとともに,コメントのテキストや投稿された画像(写真や動画)を観察し,投稿者が水辺でとった行動を特定し記録した。ランニング,散歩,サイクリング,釣り,野鳥観察,花火見物,食事などの行動を把握することができただけでなく,場所による行動傾向の違いや画像への水域の現れ方の違いが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の遅れを今年度前半で挽回できただけでなく,今年度に計画していた内容について調査を完了することができた。また,次年度の計画に向けた準備作業も進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり,次年度は対象地域における防災まちづくり活動等に関わりながら,親水と浸水に対する住民の意識について研究を進める。
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