研究課題/領域番号 |
21K05658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
村井 亮介 高知工科大学, 地域連携機構, 助教(プロジェクト) (70773810)
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研究分担者 |
高木 方隆 高知工科大学, システム工学群, 教授 (50251468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | UAV / フェノロジー観測 / BRF / オルソ画像 / カメラ較正 / 植生観測 / 生物季節観測 / フェノロジー / BRF観測 / UAVを用いた植生観測 / 植生の生物季節観測 / 立体オルソ画像マッピング / 写真測量 / SfM |
研究開始時の研究の概要 |
フェノロジー観測の成果はオルソ画像で表現されており,フジの花など上から観測できない植物イベントは表現できない。 そこで本研究の目的は「立体で行う詳細なフェノロジー観測手法を実現する」 である。目的を達成することで精度の高い植生の基礎データを提供できる。また,立体面にオルソ画像をマッピングする本手法は,体積で増える三次元地理空間データのデータ容量圧縮に有効である。そこで異なる研究分野間で利用しやすい三次元地理空間データの新しい標準データアーカイブ手法へとして,立体オルソ画像マッピング手法を構築する。そして本研究では,これまでの観測データを合わせた5年分の立体的な植生のフェノロジー観測結果を示す。
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研究実績の概要 |
「UAVを用いた立体的なフェノロジー観測のための立体オルソ画像マッピングの開発」では3つのアプローチで実績を上げている. 1)開発した「立体オルソ画像マッピング技術」を利用し,林内植生を対象に成長量の解析を行なった.樹来のDSMでの評価と異なり,立体的に色情報の変化も把握できる. 2)フェノロジー観測の際に除外したい影響としてBRFがあり,立体的な植生観測では特に影響を無視できない.R4年度はBRFを面的に計測する手法の開発と応用として,BRFを考慮したオルソ画像の生成手法を提案した.植生のBRFを面的に観測できることで,最も影の影響が小さいオルソ画像が生成できるようになった.一方で,屋外で計測するBRFには葉群の小さな影の影響が大きく,樹種ごとに特徴が見られた.そのため今後の課題としてBRFに含まれる影を,純粋なBRFから切り分け,色情報以外のフェノロジー観測に用いる指標開発を行う. 3)現在市販されているデジタルカメラはメーカー独自のカメラ較正や現像処理が行われていることが明らかになり,時系列の観測技術を継続するには,Rawデータを元に独自手法による画像現像プロセスを確立する必要があった.そこで,カメラセンサやレンズに由来するフェノロジー観測における計測誤差の把握,精度向上を目的とした較正手法や現像補正,そしてカメラの感度特性の把握に関する取り組みを行なった. 上記の成果はそれぞれ,1)に関する発表論文1本,2)に関する発表論文1本・査読論文1本(R5/4月),3)に関する発表論文2本(内1本R5/5月)を学会等で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた研究課題解決の順番には前後が見られるが,おおむね順調に進んでいる.一方で「当初予期していなかったこと」がいくつかあった. 1)購入したカメラのセンサがフルサイズになり,これまで影響を無視できたレンズシェーディングの影響が大きくなった.また較正には簡易なフラット光源でも可能であるが,較正値を得るためのデータ取得の難易度が高く,16bit階調の画像を扱うには,高額な積分球が必要であった. 2)BRFには葉群の細かな影の影響を大きく受けていることが明らかになった.先行研究ではBRFに細かな影が含まれること自体ほとんど議論されていないため,純粋なBRFと葉群の影それぞれの評価を行うための手法開発が必要になった.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していなかったこと1)へは,カメラ較正機材メーカーのテストサービスを利用することで解決できた.2)は本研究課題には直接関わらないが,フェノロジー観測のテーマには関わってくる問題であるため,本科研とは切り離して今後の研究課題として取り扱う. R5年度は,観測日ごとに異なる太陽照度の標準化を行うため,照度センサーとの同期観測を予定している.
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