研究課題/領域番号 |
21K05668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
木佐貫 博光 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00251421)
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研究分担者 |
熊谷 朝臣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50304770)
宮沢 良行 九州大学, キャンパス計画室, 学術推進専門員 (80467943)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 大台ヶ原 / ササ / トウヒ / ツツジ / 樹液流速 / 森林衰退 / 蒸散 / ゴヨウツツジ / 防鹿柵 |
研究開始時の研究の概要 |
大台ヶ原では、シカの食害によって森林の衰退が進行し、食害対策として設置された防鹿柵内ではミヤコザサ群落が拡大し、樹木の枯死が目立つ。シカの採食を回避して繁茂したササ群落の蒸散による水消費が、柵内の樹木の蒸散を妨げることで森林衰退を後押ししている可能性を検証するために、ササ草原に生育するトウヒ幼樹、シロヤシオ、ミヤコザサを対象に、気象要因ならびに生物季節の影響を考慮しつつ、蒸散の変動を記録することで、「ササによる土壌水分収奪とその影響を受ける樹木の蒸散」の構図を調べる。小径幹の計測に特化した自作センサーを用いて樹液流速を測定し、蒸散量の推定を行う。
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研究実績の概要 |
大台ヶ原東部の過去に常緑針葉樹林だった場所では,ニホンジカによる樹木や林床植生の被食によって森林衰退が著しい.シカの被食を回避するために設置された防鹿柵内では,地下茎で稈を増やすササが著しく繁茂した.群落に存在する大量のササの葉の蒸散による水消費が,保護された常緑針葉樹トウヒや落葉中木ゴヨウツツジの水分吸収に支障をきたすことで,森林衰退を後押ししている可能性がある.本研究では,ササ群落が樹木の水分生理に及ぼす影響を評価することを目的に,トウヒ,ゴヨウツツジおよびササを対象に樹液流速の観測を行った.ササの観測は,前年に出筍した稈については2023年5月上旬から,当年生の稈については,同年7月から開始し10月まで試みた.ゴヨウツツジの観測は,2023年4月から10月まで試みた.樹液流速測定センサーについては,ヒートパルス法のHeat Ratio Methodを用い,ツツジについては3本の針を持つセンサーで測定し,ササについては細い稈に特化した超小型センサーを自作して測定した.さらに,樹液流速に影響する可能性がある自然環境要因として,気温,日射量,降水量,大気飽差を観測した.さらに,ササの葉量の季節変化を把握するために,葉面積指数を継続的に計測した.樹液流速については,ロガーの浸水やセンサーの調整不良により,解析を行うに十分なデータを獲得することができなかった.今後は,期間を1年間延長し,少なくともササからのデータを獲得したうえで,気温,降水量,日射,大気飽差などの気象要因が,ササの樹液流速に及ぼす影響を解明したい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
樹液流速測定センサーについては,Heat Ratio Methodを用い,ツツジについては3本の針を持つセンサーで測定した.また,ササについては細い稈に特化した超小型センサーを自作して測定した.樹木の材の特性の影響と思われる測定不具合に加え,ササの3㎜程度の稈に超小型センサーを密着させることが困難であった結果,測定不具合となった.さらに,樹液流速については,ロガーの浸水やセンサーの調整不良により,解析を行うに十分なデータを獲得することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,期間を1年間延長し,データロガーの防水性を高くし,超小型センサーと稈との密着の度合いを高めることで,少なくともササからのデータを獲得したうえで,気温,降水量,日射,大気飽差などの気象要因が,ササの樹液流速に及ぼす影響を解明したい.
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