研究課題/領域番号 |
21K05676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
小長谷 啓介 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90612739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 菌根菌 / セイヨウショウロ / 分離 / 細菌 / 菌株保存 |
研究開始時の研究の概要 |
①トリュフ菌の菌株の分離・保存に最適な栄養培地の探索、②トリュフ菌が根に共生した部位である「菌根」の分離源としての有効性の検証、③トリュフ菌の菌糸成長を促す有益な細菌群の活用、の3課題の検討を通じて、トリュフ菌の分離・保存の成功率を向上させた菌株の獲得手法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、採集が難しく、世界的に遺伝資源の蓄積が乏しいトリュフの菌株の拡充推進に必要な、菌の分離・保存技術の高度化を目的とする。そのために必要な3課題:①菌株の分離・保存に最適な栄養培地の探索、②トリュフ菌が根に共生した部位である「菌根」の分離源としての有効性、③トリュフ菌の菌糸成長を促す有益な細菌群の活用、の検討を通じて、トリュフ菌の分離・保存の成功率を向上させた菌株の獲得手法を提案する。菌根の分離源としての有効性を評価するため、保持林業実証試験地(北海道芦別市)の2サイト(GR1、GR2)において、それぞれ30地点からトドマツの菌根を採集し、トリュフ菌のものと思われる菌根から菌の分離試験を行った。根の採集中にきのこ(トリュフ)は発見されなかったが、計8地点のサンプルに含まれる354の菌根は、トリュフ菌と共生して作られたものと推測された。分離試験により、67(18.9%)の菌根からトリュフ菌の菌糸片を得た。次に、細菌がトリュフ菌の菌糸成長に及ぼす影響を明らかにするため、国産トリュフのきのこおよび菌根から分離されたBradyrhizobiaceae細菌株14系統と、トリュフ菌7種を用いて対峙培養試験を行った。トリュフ菌2種において、9系統および5系統の細菌株との対峙培養下で菌糸体重量が増加する傾向が見られた。しかし、その他のトリュフ菌種では、重量に差がない、もしくは減少する傾向が見られた。細菌の系統とトリュフ菌種の組み合わせによって、細菌がトリュフ菌の菌糸成長に及ぼす影響は異なるが、一部の系統の細菌はトリュフ菌の菌糸成長を促進することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トリュフの菌株の拡充推進に必要な3課題(①菌株の分離・保存に最適な栄養培地の探索、②トリュフ菌が根に共生した部位である「菌根」の分離源としての有効性、③トリュフ菌の菌糸成長を促す有益な細菌群の活用)について、計画通りに調査・試験を遂行し、成果が得られたことから、概ね順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き菌株拡充を遂行するため、野外の森林において菌根から菌の分離培養試験を行う。
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