研究課題/領域番号 |
21K05681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター |
研究代表者 |
鶴田 健二 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 研究員 (70638593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 蒸発散 / 流域水収支 / 森林の水源涵養機能 / 長期森林理水試験地 / 洪水流量 / 渇水流量 / 森林管理 / 気候変動 / 水源涵養機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,長期森林理水試験地を利用して,気象条件と森林管理の両方の影響を反映する蒸発散モデルを構築する.この蒸発散モデルを既存の流域水循環モデルに組み込んで改良することで,気象条件と森林管理が洪水~渇水に至る流出水量に及ぼす影響評価手法を確立する.この評価手法を用いて,同試験地の過去50年に渡る気温上昇と少雨・多雨条件を含む長期流出水量データを解析することで,森林管理が洪水流量の低減及び渇水流量の維持に及ぼす持続的効果を評価するとともに,森林の洪水緩和機能と水資源貯留機能の限界点となる気象条件をその時の森林管理状態・成長段階とともに抽出する.
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研究実績の概要 |
気候変動下における森林の水源涵養機能の持続性と限界点を評価するため,本年度は長期気象データの再整備及び長期蒸発散データの解析を行った. 近年の気象データ実測値の補正作業を行ったため,それに伴い,昨年度推定した過去の気象データを再整備した.再整備を行った気象要素は,日射量,気温,湿度,大気飽差である.その結果,試験地において気温は上昇する傾向にあるものの,湿度には明瞭なトレンドは認められなかったため,大気飽差は上昇する傾向(大気が乾く方向)にあった. 気象データの再整備に伴い,研究協力者とともに蒸発散データの再補正作業を行うとともに解析を行った.解析に用いたのは2001年~2020年までの20年分のデータである.20年間で蒸発散量は約100mmの変動があり,変動係数は約4%であった.一方で降水量の20年間の変動係数は約14%であり,蒸発散量は比較的安定していた. 今後は,20年間の蒸発散変動を生態系モデルを用いて再現可能にするとともに,過去の気象データ,試験地の森林構造データ(樹高,材積など)などを入力データとして,森林成立時からの蒸発散量の変化を再現する計画である. さらに,流出量の計算を行うために,流出モデルの改良を行う.以上で推定した蒸発散量が入力データとなるモデル構造とすることで,気象,森林構造の長期的な変化に伴う流出量の変動を明らかにする. 試験地の流出量データは1972年から利用可能である.特に近年の流出量データについては,研究協力者とともにデータの補正作業を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的なモデル解析に必要なデータセットの整備が完了したため,研究課題はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は長期的な流出量変動の実態を明らかにするとともに,既存の流出モデルを,気象に加え森林構造の変化も加味したものへと改良する計画としている.
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