研究課題/領域番号 |
21K05683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
則定 真利子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00463886)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 土壌高温 / 熱帯荒廃地 / 森林再生 / 窒素吸収 / 根圏低酸素ストレス / Melaleuca cajuputi / Acacia mangium / Syzygium / 高温ストレス / アンモニウム / Eucalyptus camaldulensis / アンモニウムイオン / 吸収速度 / 転流 / 土壌高温ストレス / 高温馴化 / 硝酸イオン / 根の通水性 / 根の窒素吸収能 / 安定同位体窒素 / 馴化 |
研究開始時の研究の概要 |
裸地化した熱帯荒廃地では、表層土壌の温度が上がりやすく、植栽木の根が土壌高温ストレスに晒されやすい。本研究では、熱帯荒廃地の造林候補樹種を対象として、土壌高温ストレスが熱帯樹木の根の養水分の吸収機能に与える影響を種間で比較しながら明らかにする。環境制御下における水耕栽培実験系を用いて、根の養水分の吸収能の短期的な高温応答性を調べるとともに、長期的な高温馴化応答性についても調べる。新型コロナウイルス感染問題が収束すれば、現地における植栽試験を計画し、マルチングによる土壌温度上昇緩和操作が植栽木の生残・成長に改善効果をもたらすかを吟味する。
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研究成果の概要 |
土壌高温が熱帯造林候補樹種の窒素吸収に与える影響を、Melaleuca cajuputiとAcacia mangiumを対象に水耕栽培系を用いた窒素安定同位体標識実験により調べた。両種とも、30℃で生育した個体の窒素吸収が40℃下で阻害されず、また1日4時間の40℃処理を7日間継続すると窒素吸収速度が促進されるなど、40℃の高温ストレスに対して高い耐性を有することが明らかとなった。M. cajuputiとSyzygium属3種を対象に35℃の高温と根圏低酸素との複合ストレスへの応答を調べ、M. cajuputiとS. kunstleriでは低酸素条件でも高温耐性が維持されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱帯荒廃地に森林を再生する際、植生が疎らなために太陽光が直接土壌表面に到達しがちで土壌温度が上昇しやすくなり、植栽木の根に高温ストレスがかかりやすい。また低湿地では根圏低酸素ストレスが主要な植物の生育阻害要因となるため、荒廃熱帯低湿地では、低酸素ストレスと高温ストレスが複合的に植栽木に負荷される。土壌高温に対する樹木の応答や耐性に関する知見は限られており、本研究課題により得られた熱帯荒廃地の造林候補樹種の根の窒素吸収能の高温応答ならびに根圏低酸素ストレスと高温ストレスとの複合ストレスに対する応答性の樹種間差に関する知見は、熱帯荒廃地における森林再生のための有用な基礎的知見となる。
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