研究課題/領域番号 |
21K05685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
細尾 佳宏 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (80377184)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 針葉樹 / スギ / 単糖 / 膜輸送 / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
スギの単糖トランスポーター遺伝子に焦点を当て、機能(輸送する単糖の種類、輸送活性の大きさ)や樹体内での発現パターン(どの時期・時間に、どの部位で働いているか)を明らかにすることを目指す。機能解析では、単糖取り込み能が欠損した酵母変異株で対象遺伝子を発現させ、単糖取り込み能の回復の有無などから輸送機能を解析する。発現解析では、スギの各部位、各時期(分化段階)における対象遺伝子やその遺伝子産物(トランスポーター)の発現を定量的PCRなどにより解析する。
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研究実績の概要 |
本研究は、針葉樹における単糖膜輸送の機構を分子レベルで解明し、成長・生理機能に対する単糖膜輸送の役割を明らかにすることを目的としている。本年度は、スギからSTP(sugar transport protein)型の単糖トランスポーターをコードするCjSTP5遺伝子を新たに単離し、解析を行った。配列解析の結果、CjSTP5遺伝子コードするタンパク質はN、C両末端を膜の内側にした12回膜貫通構造であると推定され、この推定膜貫通構造は他のSTPと一致した。また、CjSTP5タンパク質のアミノ酸配列には、C末端領域にSTPで高度に保存されている配列と細胞膜局在を促進するtri-aromatic motifが確認された。 機能解析では、酵母の単糖取り込み能欠損株(EBY.VW4000株)を用いた相補性試験を行った。その結果、CjSTP5タンパク質に単糖(六炭糖)取り込み活性は見られなかった。この理由として、CjSTP5タンパク質がEBY.VW4000株の細胞膜に正常に挿入されていない、EBY.VW4000株の細胞膜で単糖トランスポーターとして正常に機能していない、または六炭糖以外の単糖の取り込み機能を持つことが考えられ、CjSTP5タンパク質の単糖取り込み機能についてはさらなる研究が必要と考えられた。 発現解析では、スギの針葉、内樹皮、根、雄花、雌花などの各部位におけるCjSTP5遺伝子の発現量を定量RT-PCRにより解析した。その結果、CjSTP5遺伝子の発現は解析を行ったすべての部位で確認され、雄花と雌花での発現量が多かった。そして、雄花では小胞子一核期から成熟花粉期にかけて、雌花では胚発生完了期から種子飛散期にかけて発現量が多くなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スギの単糖トランスポーター遺伝子であるCjSTP5遺伝子について、スギ樹体内での発現パターンに関する新規の知見を得ることができた。ただ、機能解析が難航し、昨年度までに解析を行ったCjSTP3タンパク質、CjSTP4タンパク質とともに定量的な解析を実施できなかった。また、スギの成木から一定間隔で採取した雄花と雌花からのRNA抽出が難航し、CjSTP5遺伝子の雄花・雌花における発現パターンの解析は行ったが、その他の単糖トランスポーター遺伝子については解析に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに単離した単糖トランスポーター遺伝子について、遺伝子産物の単糖輸送機能を定量的に明らかにすることを目指す。また、スギから新たに単糖トランスポーター遺伝子を単離し、機能および発現パターンの解析を行う。そして、各単糖トランスポーター遺伝子について、雄花と雌花における発現パターンをより詳細に明らかにするとともに、針葉、内樹皮、分化中木部、根の試料を一定間隔で採取し、これらの部位における発現の季節変動の解析を進めたいと考えている。
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