研究課題/領域番号 |
21K05690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
井上 昭夫 近畿大学, 農学部, 教授 (80304202)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ドローン / 針葉樹 / 人工林 / 森林計測 / 森林調査 / 航空機レーザ / ビッターリッヒ法 / 平田法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,針葉樹の人工林を対象として,ドローンを用いた実用的な森林調査法(空中ビッターリッヒ法)を開発することにある。この方法は,ビッターリッヒ法を樹高推定に応用した平田法を,本来の地上からではなく,ドローンを用いて空中から行い,林分の平均樹高と林分密度を推定しようとするものである。本研究では,この方法の基本的な考え方を提示する。次いで,立木位置図によるシミュレーションと現実林分での実証試験を通して,空中ビッターリッヒ法のプロトコルを確立するとともに,推定誤差の範囲と適用可能な条件を明示する。さらに,上層木平均樹高と林分密度から,林分の平均胸高直径を推定するためのモデルも開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,針葉樹の人工林を対象として,UAV(ドローン)を用いた実用的な森林調査法を開発することにある。 令和4年度には,前年度に考案した「空中ビッターリッヒ法」について,立木位置図上でのシミュレーションを実施した。具体的には,紀伊地方のスギ人工林を対象とし,林齢20年,40年,60年および80年の収穫表に示された値をもとに林分を復元し,ドローンの飛行高度,1林分あたりの写真の撮影地点,定角の大きさを変化させることで,これら3つの条件の最適な組み合わせについて検討した。その結果,最適な組み合わせ条件のもとで空中ビッターリッヒ法を行うことにより,90%以上の場合において,±1.0 m以内の誤差で平均樹高を推定できることがわかった。また,前年度に開発した上層木平均樹高と林分密度から平均胸高直径を推定するためのモデルについて,理論的な検討を行い,(1)モデルによる推定値が樹幹表面積と樹高と胸高直径との積との関係の回帰式に対してロバストであること,(2)林分密度と平均樹高の計測誤差による影響は,相対樹幹表面積と相対幹距とのべき乗式におけるべき指数によって異なるが,あまり大きくないことの2点を明らかにした。さらに,研究開始当初は,ドローンによる森林調査の方法を開発することを目的としていたが,この方法がドローンだけでなく,航空機レーザによる森林調査にも応用できることに気づき,航空機レーザによる森林調査に関する網羅的な文献調査を行った。平均胸高直径の推定モデルに関する成果を論文にまとめ,海外の国際誌に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空中ビッターリッヒ法と胸高直径の推定モデルの両方について,おおむね計画通りに研究を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に行った立木位置図上でのシミュレーションについては,地形と樹高のサイズのバラツキを考慮していなかった。そこで,令和5年度には,これらの要因も踏まえたシミュレーションを実施し,空中ビッターリッヒ法の方法論を確立することをめざす。そして,得られた成果についての論文投稿を行う。また,令和3年度に考案した単木レベルでの直径推定モデルについても解析を進め,国際誌への論文投稿を行う。さらに,UAVによる針葉樹人工林の空撮データを取得し,現実林分での精度検証を実施する。
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