研究課題/領域番号 |
21K05706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉村 和紀 京都大学, 農学研究科, 助教 (30711783)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | セルロース系液晶 / コレステリック構造 / 分子キラリティー / 掌性反転 / 位置選択置換 / 包接錯体 / 液晶デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、液晶性のセルロース誘導体であるエチルセルロース(EC)とヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が形成するコレステリック液晶のピッチとセンスに及ぼす種々の効果(置換度(DS)、溶媒種、温度、etc.)を調査し、セルロース分子鎖のキラリティー変化と液晶のセンス反転のメカニズムを解明する。分光測定では検出困難なオーダー(~数Å)である『セルロース鎖の分子キラリティーの解明』を液晶形成の観点から取り組むとともに、豊富に得られるデータを活用して液晶構造を制御することで、『環境応答性を示す光学素子・呈色デバイスの開発』を目指す。
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研究成果の概要 |
セルロース系コレステリック液晶におけるラセン周期(ピッチ)と旋回方向(センス)に及ぼす分子構造・環境因子の解明、ならびに高性能・高機能な液晶光学材料の創製を目指した研究を遂行した。位置選択置換エチルセルロースECの調製とその液晶形成挙動の解析評価から、置換基の導入位置に応じて溶剤溶解性やコレステリック液晶構造の濃度・温度応答性が変化することが明らかとなった。また、HPC水系液晶への嵩高いアダマントイル基の導入により、コレステリック液晶構造は大きく変化した。さらに、β-シクロデキストリンとの包接によって水に難溶な高DS体も高濃度で水に溶解し、コレステリック液晶性を示すことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表的な液晶性セルロース誘導体であるエチルセルロースECとヒドロキシプロピルセルロースHPCが濃厚溶液中で形成するコレステリック液晶について、そのラセン周期(ピッチP)と旋回方向(センス)に及ぼす分子構造・環境因子を解明した本研究成果により、コレステリック液晶の反射波長と偏光状態のコントロールが可能な先進的光学機能材料の設計開発に向け、有益な指針を獲得できた。さらに、セルロース分子鎖のキラリティーに関する学術研究の一助となり、近年議論が活発なセルロースナノ繊維におけるキラリティー起源の解明に繋がる。
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