研究課題/領域番号 |
21K05716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
戸川 英二 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 (60343810)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セルロース / 疎水化 / 液体ビー玉 / リキッドマーブル / 気相コーティング / シランカップリング剤 / セルロース微粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
疎水化したセルロース微粒子に小さな水滴を落とすと、水滴の表面にセルロース微粒子が吸着し、セルロースによってカプセル化された水球体が形成される。これがセルロース液体ビー玉(リキッドマーブル)である。この液体ビー玉は、液体の吸蔵や非汚染的な輸送、ガスセンサーなどへの応用が期待される。本研究では、各種試薬によって疎水コーティングしたセルロース微粒子を用いて、セルロース液体ビー玉形成条件の詳細および構造特性や物性を解明する。
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研究成果の概要 |
疎水化されたセルロースパウダーが表面に吸着している微小な水玉のことをセルロース液体ビー玉と呼ぶ。本研究では、セルロース液体ビー玉の形成条件およびその特性を解明するため、液体ビー玉の形成を制御する因子の解明、および特性評価を行なった。その結果、原料セルロースの起源やサイズに関係なく、液体ビー玉を容易に調製することができ、液体ビー玉の形成には内部液相の性質(表面張力)が大きく影響することが判明した。液体ビー玉は崩壊させずに互いに接触が可能な一方で、分裂や合一ができること、適切な状況下で押し潰せば外殻セルロースおよび内部液を分離してそれぞれ再利用可能なことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題の遂行によってセルロースパウダーの簡便な疎水化法が確立できた。本課題で用いた気相法は、極少量の試薬でセルロースを疎水化できる。この手法は、処理後の洗浄を必要とせず、廃液を排出せず、さらにパウダーの凝固を発生させないなど多くの利点を兼ね備えている。また本研究の結果は、セルロース液体ビー玉の様々な機能化、たとえば、水溶液の貯蔵やその再利用、非汚染的な移動、高粘度液体への固体的ハンドリング性の付与、外部刺激応答センサーなどへの応用を示唆している。以上の成果は、これまで注目されてこなかった素材であるセルロースパウダーや木粉の新しい利用方法へ発展させられる。
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