研究課題/領域番号 |
21K05736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
水野 伸也 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 水産研究本部 さけます・内水面水産試験場 道東センター, センター長 (70442655)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 海水 / サケ稚魚 / イクチオボド / スピロヌクレウス / オキソリン酸 / 鞭毛虫 / サケ / 病原性 / 防除技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、海水中のサケ稚魚に寄生する原虫類鞭毛虫の病原性を調べ、この寄生が降海後稚魚の初期減耗要因になり得るのか解明することと、海水中のサケ稚魚の原虫防除技術を開発し、原虫病による海中飼育稚魚の死亡被害を未然に防ぐことを目的とする。病原性の研究では、鞭毛虫が海中で水平感染するのか、海中でどの程度寄生すると、稚魚に病原性を示すのかが明らかになる。防除技術の研究では、植物油添加飼料給餌による予防及び抗菌剤を用いた駆虫の技術について、最も防除効果の大きな処方を組み合わせ、海水中における原虫防除技術を開発する。
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研究実績の概要 |
1)鞭毛虫の寄生が海水中のサケ稚魚に及ぼす病原性の解明 淡水中で鞭毛虫の寄生を受けた稚魚が、海水移行後に本症を発症して死亡するのかどうか明らかにすることを目的とした。淡水飼育したサケ稚魚を100尾ずつ、非感染群、イクチオボ℃ド(IC)感染群、スピロヌクレウス(SP)感染群の3群に分け、感染群にはそれぞれの鞭毛虫を人為的に感染させた。3群それぞれの稚魚を、50尾ずつ海水移行群と淡水継続群の2群に分けた。28日間の海水移行試験を行った結果、非感染群、IC感染群、SP感染群の海水移行群の稚魚は期間中全て生残した。一方、この28日間の淡水飼育継続では、非感染群の稚魚は1尾も死亡しなかったのに対し、IC感染群では19尾(死亡率38%)、SP感染群では6尾(死亡率12%)が死亡した。以上の結果から、海水中で各鞭毛虫のサケ稚魚に対する病原性は低いと結論した。 2)海水中のサケ稚魚の鞭毛虫防除技術の開発 ICの寄生予防に有効な特許飼料(混合植物性油脂)の配合飼料添加濃度を明らかにすることを目的とした。ICの寄生を受けていない海水中のサケ稚魚250尾を50尾ずつ5群の分けた。各群の稚魚に対し、特許飼料を0、1、2、3または5%濃度で外割添加した配合飼料を1週間予防給餌した。その後、各群の稚魚とIC感染稚魚と同居させ、26日間の感染試験を行った。感染試験終了時の各群稚魚への平均寄生強度を調べた結果、その強度は2%群=3%群<1%群<5%群=0%群の順で大きかった。従って、海水中のサケ稚魚について、ICの寄生予防に予防に有効な特許飼料添加濃度は2~3%と考えらえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した計画通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度まで計画通り進展しているため、令和5年度の最終年まで計画どおり進める予定である。
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